花園の御田舞
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花園の御田舞(はなぞののおんだまい)は、和歌山県伊都郡かつらぎ町大字花園梁瀬に伝わる民俗芸能。重要無形民俗文化財。
弘法大師の高野山開創とともに拓かれ、その寺領として保護を受けてきた旧・花園村は、山内へ花を奉献したことから花園村の名があるなど高野山との深い関わりがあり、伝統的な民俗芸能が長く伝えられてきた。御田舞もそうした文化遺産の一つであり、平安中期から行われてきた田遊びの一つである。
旧花園村梁瀬の遍照寺の大日堂で、年の始めに豊年を予祝して隔年の旧暦の1月8日に行われる行事であり、田の水迎えから収穫まで米作りの1年間を、太鼓や笛、たたき棒などの囃子に合わせ華やかに舞い、田の神に奉納して1年の豊作を祈願する。こうした御田の芸能は、日本人と稲作との長く深い係わりを表すものとして貴重なもので、花園の御田舞はその典型とされる。
全国に伝承されている御田のほとんどが田植で終わるといわれ、収穫までの全生産過程を演じる例は全国的にもめずらしく、有田川町の杉野原の御田舞とともにこの地方特有のものである。