船内外機
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船内外機(せんないがいき)とは、小型船舶の推進機関の設置方式の1つである。インボードエンジン・アウトボードドライブとも呼ばれる。 エンジンを船内船尾部に設置し、減速歯車、前後進クラッチ、ダブルユニバーサルジョイント、プロペラ等を一体化した(スタン)ドライブユニットを船尾板(トランサムボード)より外部に設置した方式となっている。
ドライブユニットは、左右に動き、舵としての役目を果たすとともに、係留時、上架時には、上にはねあげられるようになっている。 はねあげられる角度は、メーカ間によって差があり、国産のヤンマー製は、係留時完全に水面上に出るのに対し、ヤマハ発動機製は、一部が水面下に浸かる様になっている。この事は、ドライブユニットの腐蝕対策上ユーザーに問題視されている。
エンジンは、4ストロークガソリン、4ストロークディーゼルの何れも使用されるが、経済性から、ディーゼルが圧倒的に多い。 エンジンの冷却方式については、船舶が使用される水域の水をシリンダーブロック内に直接循環させる、直接冷却方式とシリンダーブロック内に清水を循環させ、熱交換器で船舶が使用される水域の水で冷却する、間接冷却方式がある。
プロペラは、1軸右回りが多いが、プロペラ効率、直進性の向上を狙って、2重反転プロペラが一部機種に採用されている。
2004年スウェーデンのボルボ・ペンタ社より発表された、インボード・パフォーマンス・システムは、エンジンを船内船尾に置き、2重反転プロペラを従来の推進式ではなく牽引式に配置したドライブユニットを船底に設置した、まったく新しい推進方式である。