自然治癒力
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自然治癒力(しぜんちゆりょく、spontaneous cure)とは、人間・動物などの心身全体が生まれながらにして持っている、ケガや病気を治す力・機能を広くまとめて指す表現。手術を施したり、人工的な薬物を投与したりしなくても治る機能のこと。「自己治癒力」とも呼ばれる。
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[編集] 概説
「自然治癒力」と古くから呼ばれ親しまれている機能の中には、「自己再生機能」と「自己防衛機能」が認められる。
「自己再生機能」とは、体が外傷などを負った時に、(それが少々の規模であれば)傷を治す機能のこと(「傷」の項目も参照可)。
「自己防御機能」とは、生体の外部から浸入してくるウィルス・細菌類と戦う機能のこと。つまり「免疫」のことである。
二つの機能は連携して機能することもある。例えばスリ傷を負った時の治癒では、生体は浸入してくる細菌と戦いつつ皮膚を再生しているので「自己防衛機能」と「自己再生機能」を同時に働かせているということになる。
[編集] 自己防衛機能
免疫機能は非常に高度で精密(あるいは複雑)なシステムである。免疫機能を担っている要素の例としては「リンパ球」が挙げられる。「リンパ球」というのは総称であり、現在のところ「ナチュラルキラー細胞(NK細胞)」「B細胞」「T細胞」などが知られている。ナチュラルキラー細胞は腫瘍細胞やウイルス感染細胞の拒絶に携わっている。B細胞は体液性免疫や抗体産生に携わっている。T細胞は細胞性免疫に携わっている。
[編集] 参考書籍
- 『人はなぜ治るのか 現代医学と代替医学にみる治癒と健康のメカニズム』アンドルー・ワイル著 上野圭一訳、日本教文社 ISBN 978-4531080762
- 『癒す心、治る力』 アンドルー・ワイル著 上野圭一訳 角川書店 ISBN 978-4042777014
- 『自己治癒力 イメージのサイエンス』ジーン・アクターバーグ著 井上哲彰訳 日本教文社 ISBN 978-4531080694
[編集] 関連書
- 『自然治癒力学説史』マックス・ノイブルガー 1926年