耐候性鋼
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耐候性鋼(たいこうせいこう)とは、鋼表面に保護性錆を形成するように設計された低鉄合金鋼である。耐候鋼とも呼ぶ。塗装せずにそのまま使用してもあまり錆びず、またそのさびが比較的緻密で、内部まで腐蝕されないような鋼材である。錆の色は茶褐色でそれなりに美しい。
耐候性鋼は、適切な管理をすれば無塗装で使用できるので、メンテナンス費や塗装費を低減できる。しかし、海水は保護性錆層を破壊するCl-イオンを含んでいるため、海岸部では耐候性鋼を無塗装で使うことはできない。
耐候性鋼は、1910年代欧米で本格的に研究され、アメリカ合衆国の United States Steel Corporation(USスチール)より、COR-TEN(コルテン鋼)の商品名で初めて販売された。これは銅を2%程度含み、建築物外壁や内陸部の橋梁に用いられるが、米国では鉄道車両にも用いられている。それは主にホッパー車の側面用である。この車両は砂や石炭を運ぶため、こすれて塗料がはがれやすく、保守に手間が掛かるからである。
[編集] 耐候性鋼の耐食性
耐候性鋼の耐食性は、表面の「錆」によって獲得される。
耐候性鋼の基本成分は、Fe-Cu-Cr-Ni-P、又はFe-Cu-Cr-Niである。 耐候性鋼の表面にある錆層の下部に、Cu, Cr, Niが関与する、極めて緻密な非晶質層が形成される。そして、この非晶質層が錆の進行を抑制する。使用して2~4年ぐらいすると、前述の保護性錆が形成され、錆の進行が止まる。つまり、錆のバリヤーで外部の酸素や水による反応を防いでいる。