統合失調質人格障害
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統合失調質人格障害(とうごうしっちょうしつじんかくしょうがい)またはシゾイド型人格障害(シゾイドがたじんかくしょうがい、Schizoid personality disorder, SPD)とは、DSMの人格障害のなかで、大きな区分である「クラスター A」に属する一型である。社会的関係への関心のなさ、孤独を選ぶ傾向、そして感情的な平板さを特徴とする。
この人格障害は、他のものに比べてかなり稀な型だと言える。一般人の間での罹患率は、1%に満たないと見積もられている。
2002年までは分裂病質人格障害と呼ばれていた。
[編集] 診断
ICD-10では、統合失調質(シゾイド型)人格障害は次の診断基準のうちの少なくとも3つ以上を満たすことで診断される。
- 情緒的な冷たさ、超然とした態度あるいは平板な感情
- 積極的なものであれ消極的なものであれ、感情というものを他人に伝える能力が限定されている
- 一貫して孤立した行動を好む
- 親しい友人や恋人が(もしいたとしても)ほとんどおらず、そういった関係を望まない
- 賞賛にも批判に対しても無関心
- 喜びを感じられる活動が、もしあったとしても、少ししかない
- 社会規範や慣習への無関心
- 空想や内省への没入
- 他人と性的関係を持つことへの欲望の欠如
[編集] 特徴
この障害の特徴は自己表現力の欠如である。特に、田舎から都会へ出てきたばかりの人物に発症しやすいとされている。田舎の、特にムラ社会が色濃く残っている地域では、自由やプライバシーが保障されない代わりに「自分は自分の人生をどうしたい」などの意思表示を求められることも少ない。こうした文化の中で生まれ育った人が都会において急に「自己表現」を求められてパニックに陥り、それを求められるような社交的な場を避け、引きこもりに近い精神状態に陥ってしまうものと考えられる。[要出典] 一方で都会育ちの人間においても、古くは書籍に始まり、マンガ、テレビ、インターネットなど、他人と関わることなく独りで没入できる場が増えるに従い、本症の特徴を具えた性格の持ち主も増える傾向にある。[要出典]
動物や幼児を手懐けることには長けていることがある。自分の意志を言語化する能力に劣っている代わりに、非言語的コミュニケーションに秀でているためという解釈も出来る。[要出典]
症状が似ている広汎性発達障害との鑑別に苦慮することもある。