私立彩陵高校超能力部

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『私立彩陵高校超能力部』（しりつさいりょうこうこう・ちょうのうりょくぶ）は、石田あきらの漫画作品。

掲載誌「コミックシード!」（ぺんぎん書房）が休刊の憂き目にあい打ち切り。単行本は4巻まで発行されていた。現在はcomic REXにて連載を再開し、新装版が現在6巻まで発売されている。アニプレックスよりドラマCDが発売された（これに先駆け、公式サイト上でweb配信されたり、コミックマーケットにて第1話収録分のCDが無償配布された）。

[編集] 作品解説

本作は超能力の存在が認められた世界で、超能力者によって結成された「超能力部」を舞台にして描かれる学園漫画である。基本的には部活内の騒動がコメディタッチで描かれるが、いわゆる「バトルマンガ」のようになることもある。ぺんぎん書房版、一迅社版とも単行本は「ダブルカバー」となっており、外側のカバーをめくると表紙のキャラクターの服装が別のものになった（または裸になった）イラストが描かれている。

[編集] 登場人物

[編集] 超能力部部員

ヨイチ　ミコト（2年）

声 - 豊口めぐみ

明るく活発な超能力部部長の2年生。身長156cm。持ち前の行動力で皆を引っ張るが、超能力を乱発するせいでもめ事が起こることもしばしば。

超能力「念動力（サイコキネシス）」: 範囲内の物体を手を触れないで自在に動かすことができるという能力。動かせる物体の数は10個までで、1つにつき5kgまで動かす事ができる。
「瞬間移動（テレポート）」: 自分一人しか出来ない上に、得意ではないので一度の使用で昏倒するほど消耗も激しいため連続して出来ない。

カシムラ　マサト（2年）

声 - 朴璐美

超能力部副部長の2年生。身長178cm。常にやる気のなさそうな顔をしているが、やるときはやる男。意外とモテる。小さい頃から自身の超能力で何度も死にかけたため、かなり頑丈。事故で家族の一人を亡くした（本人は自分の超能力が原因と考えている）経験があり、現在は家族から離れて一人暮らしをしている。

超能力「偶然」: 通常起こりえない事が偶然に引き起こされるという能力。数ある超能力の中でも、かなりイレギュラーな能力のようである。意識的に使うことは出来ず、なにが起こるかも予測できないというデメリットの多い能力であるが、本人はあまり気にしていない様子。

フジミヤ　サキ（1年）

声 - 田中理恵

超能力部の1年生。身長158cm。メンバー内ではわりと普通の性格。だが時々とんでもなく突飛な行動をする。料理が恐ろしく下手であり、彼女の料理にはモザイクがかかり、不気味に蠢く。メンバーが足りなくなった超能力部の勧誘をうけて入部した。

超能力「集団転送（マス・テレポート）」: 認知した対象者を瞬間的に他の場所へ移動させることができる。対象者の生命力を消費して使用するために生命力を持たない無生物は移動できず、したがって対象者が裸になるという現象が起きてしまい、本人はかなりコンプレックスをもっている。ササキ　シロウの能力とユニゾンすることでテレポート時に全裸になることは避けられるようになったが、シロウの能力が手のふれた対象限定のため、根本的な問題は解決されていない。

スガワ　フミヲ（1年）

声 - 井上麻里奈

超能力部の1年生。身長144cm。華奢な体格。物静かで感情をあまり外に出さない。ポーカーフェイスだがけっこうシャイ。空手が得意で、すごく強い。マサトとは中学校が同じであり、彼に恋愛感情を抱いている。当初は彼（及び彼と仲良くしている女性）に複雑な視線を向ける程度であったが、想いを自覚してからは彼におんぶをせがむなどアプローチを始めている。

超能力「鋭敏感覚（シャープ・センス）」: 五感のすべての能力が高まり、それに対応して身体能力も向上するという能力。過去にこの能力が判明したことによって空手を辞めてしまったが、現在は再び始めている模様。

ササキ　シロウ（1年）

声 - くまいもとこ

超能力部の1年生。身長158cm。やさしく生真面目な性格。メンバーのなだめ役。地味。サキと同じクラスで、彼女に想いを寄せている。

超能力「生命転送（チャージ・ライフ）」: 自らの生命力を、手のふれた対象に送り込むことができるという能力。ちなみに無生物に行うと熱が発生し、それを利用して熱燗を作った事がある（ちなみに新装版1巻の表紙カバーを外すと彼らがお酒を飲んでも許されるフラグが書かれている）。

ホリィ: 超能力部員（？）の猫。メス。名前を付けたのはフミヲで、彼女に最もよく懐いている。; 超能力は「念動力」。高校が長期休暇時には部員達の家で交代制で飼われているがほとんどの家で悲惨な目に遭う。

[編集] 生徒会

オミナエシ　トオル（2年）: 声 - 斎賀みつき; 彩陵高校の生徒会長。おっとりした性格で常に穏やかな微笑を浮かべているが、時に冷徹な表情を垣間見せることもある。ミコトから熱烈に想いを寄せられており、しばしば彼女をたきつけて厄介事を解決させている。; 超能力は「念動力」。本人曰く「非常に弱い力で、髪の毛一本動かすのがせいぜい」とのこと。実際の超能力は他人の超能力の情報を読み取りそれらの能力をすべて使用できる「統合（インテグレイト）」である。
カスガイ　キリ（2年）: 彩陵高校の生徒会副会長。身長160cm。眼鏡をかけており、クラスでのあだ名は「委員長」。生真面目な堅物であり、中学校からの同級生であるミコトとは性格が正反対であるため事あるごとに対立する。マサトに想いを寄せており、何度も告白しようと試みるものの、彼の超能力のせいかその度に邪魔が入り、失敗続きである。; 超能力は「念動力」。自分及び自分が触れている物体を宙に浮かべることができる。動かせる物体の重さは100kg（自分の体重は含まず）まで、持続時間は5分。

[編集] 街の超能力者

街で能力を使って暴れていた三人組。超能力部員達に倒されて改心する。

オオトアツシ: 巨漢の元空手家。選手時代にも能力を悪用していた。フミオに気がある。; 超能力は「遠隔接触（リモートフィール）」。
オオトアツシ: 小柄な元ボクサー。; 超能力は見た場所に移動する「瞬間移動（テレポーテーション）」。
ナツキシノブ: 細目で中性的に見える人物。後に女性である事が判明する。; 超能力は「未来予知」。

[編集] ササキ家

ササキ　チキ: 超能力部のOGで前部長。シロウの姉でマツリの双子の姉。ミコトをさらにエスカレートさせたような性格であり、超能力部員は誰も彼女に逆らえない。絶望にうちひしがれていたマサトと一時期交際していたことがある。; 超能力は「念動力」。重い物体を動かす力は無いが、空気をコントロールして壁を作り出したり、真空を生み出したりできる。マツリと精神直列する事によって能力を増幅することもできる。
ササキ　マツリ: 超能力部のOGで前副部長。シロウの姉でマツリの双子の妹。チキとは対照的にクールな性格。; 超能力は「読み取り（リーディング）」。周囲の人間の思考を読み取ることができる。特に双子の姉であるチキに対しては能力が強く現れ、2人の精神を完全に同調させる「精神直列（シリーズマインド）」という能力も使える。
ササキ　モモカ: ササキ家の長女。巨乳で天然で常にマイペース。ただし乗り物を運転すると人格が一変する。; 超能力の具体的な内容は不明だが、フミヲ、チキ、マツリと一緒にいるとき「全員超能力者」と言われているため、超能力者ではあるらしい。

[編集] 予見者一行

リーダーとなりうる超能力者を探す為に彩陵高校学園祭に乱入してきた一行。

タチバナシオリ: 車椅子の少女。; 超能力は左目の見たものが未来になる「予見」。そのため普段は眼帯をしている。足もその能力で負傷した。
マキハラ　カンジ: 背の小さい男。戦意喪失後にモモカに消火器で殴られる不幸な男。; 超能力は「身体奪取（ボディジャック）」。相手の目を見ないと発動できない。
カナヤマ　セイジュロウ: オカマの大男。; 超能力は「発火（パイロキネイシス）」。真空では能力が発揮できない。
シラキ　ジュン: ナルシスト。超能力部員達との戦闘で一人だけ裸で放置された。; 超能力は「空間掌握（スフィアマスター）」。仲間からはその能力の名づけ方で中二病扱いされている。
アオイ　サコン: メガネをかけた男で仲間のまとめ役。人物眼に自信がある。; 超能力は「認識障害（ヒンダーリアライズ）」。
ヤソベ　セイ: 彩陵高校にやってきた転校生。先行して潜入調査を行っていたが超能力部員達との交流で一行の考え方に疑問を持ったためシラキに倒される。; 超能力は「念動力（サイコキネシス）」。

[編集] 超能力と世界

この世界の超能力とは能力者が無意識的に持っている特別な能力のことであり、それらは大きくまとめて以下の3つの系統に分けられている。

物質に外的要素をプラスする能力
- 能力者があるほかの認知対象物に対して、何らかの変化を与える能力。代表的な能力としては念動力やテレポートなどがある。
物質に内的変化を与える能力
- 能力者が対象物に対して、状態変化を与える能力。この能力は能力者本人がその能力の対象となる場合も多い。代表的な能力としては透視能力や身体能力の変化などがある。
リーディング（読み取り）能力
- 対象者の思考や、何らかの特殊な情報を読み取る能力。代表的な能力としてはテレパシーや予知能力などがある。

これら3つの系統の能力のうちどれかひとつの能力が使用できる場合、同じ系統の能力を使用できる可能性が高い、とされている。また、能力は訓練することによってその能力を上達させることも可能である。ほとんどの能力は上の3つの系統の中に含まれるが、「偶然」のような例外的な能力も存在する。このように超能力について具体的な枠組みがされているために、例えばスポーツなどの競技の公式な試合には超能力者は出場が禁止されてしまう、実質、政治家にもなれないといった超能力者と能力を持たない者との間での社会的な問題も発生している。

[編集] 外部リンク

Life Like Love - 作者の個人サイト

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