永田寛定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
永田 寛定(ながた ひろさだ、1885年1月1日 - 1973年8月2日)は、スペイン文学者。
1909年、東京外国語学校西斑牙語科卒業、戦後、東京外国語大学教授を務めた。スペイン文学の翻訳、教育に尽くし、戦後、『ドン・キホーテ』の岩波文庫での完訳に挑んだが、徹底的に直す翻訳で、行の頭にこの字が来てはいけない、といった直し方をし、続編の翻訳半ばで死去。『ドン・キホーテ』は会田由によって先に完訳された。
[編集] 著書
- 太平洋の発見 十一組出版部, 1942
- こがねのいしころ 聖フランチェスコの奇跡 教育学習社, 1948
- イスパニヤ語 文法とその活用 白水社, 1955
- ふきのとう 歌集 永田琴, 1979
[編集] 翻訳
- 近代劇大系 第12巻 作り上げた利害 ハシント・ベナベンテ 近代劇大系刊行会, 1924 のち岩波文庫
- 死刑をくふ女 ブラスコ・イバニェス 新潮社, 1924
- 子守唄 マルティーネス・シエルラ 岩波文庫, 1927
- 恐ろしき媒 ホセ・エチェガライ 岩波文庫, 1928
- 世界文学全集 地中海 外三篇 ブラスコ・イバーニェス 新潮社, 1930
- 近代劇全集 第36巻 伯爵夫人の驚き(ベナベンテ)日盛り(セーカ)かはいさうなフアン(シエルラ)太鼓と小鈴(キンテイロ兄弟)第一書房, 1930
- 血と砂 ブラスコ・イバニエス 春陽堂, 1932-33 のち岩波文庫
- 日本国に南米から送つた最初の使節 ホルヘ・バイレイ・レンベツケ 秘露公使館, 1935
- 水車小屋の兄弟 ピーオ・バローハ 弘文堂書房, 1940
- 上なき判官これ天子 ローペ・デ・ベーガ 日本評論社, 1948
- ドン・キホーテ 正篇 セルバンテス 岩波文庫, 1948-51
- ドン・キホーテ セルバンテス 岩波少年文庫, 1951
- 七つの柱 フェルナンデス・フローレス 河出書房, 1952
- ドン・キホーテ 続篇 第1 セルバンテス 岩波文庫, 1953
- われらの海 ブラスコ・イバーニェス 岩波文庫, 1955
- 少年少女世界文学全集 プラテーロとわたし J・R・ヒメネス 講談社, 1960
- ドン・キホーテ 続編 2 セルバンテス 岩波文庫, 1975