水左記
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水左記(すいさき)は、平安時代の公卿・左大臣源俊房の日記。『水左記』の書名は、源の偏(水)と極官の左大臣に由来する。別名『堀河左府記』(俊房の自邸の所在地である堀河による)『土左記』(父源師房以来の家号である土御門による)など。康平5年(1062年)から天仁元年(1108年)までの記事が断続的に現存する。そのうち自筆本は康平7年(1064年)記2巻・承暦4年(1080年)記2巻・応徳元年(1084年)春夏記1巻・応徳元年正月大臣大饗別記1巻の計6巻が宮内庁書陵部に所蔵され、また承暦元年(1077年)秋冬記1巻・永保元年(1081年)秋冬記1巻の計2巻が尊経閣文庫に所蔵されており、これらの自筆本は国宝に指定されている。俊房は博学で知られ有職故実に通じ、また他の日記にはあまり見られない前九年の役に関する記述もあり、史料価値は高いと言える。村上源氏一門の動向を知る上の好史料でもある。また俊房は能書の誉れ高く、自筆本でもその達筆をうかがい知ることができる。
[編集] 参考文献
増補史料大成刊行会編『増補史料大成 8』臨川書店、1965年