死国
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『死国』(しこく)は、坂東眞砂子の小説である。これを原作として、1999年に映画が制作された。
なお、映画版は栗山千明のデビュー作となった。
目次 |
[編集] 小説
[編集] 映画
- 1999年公開
- 製作:角川書店、アスミック・エースエンタテインメント、東宝、住友商事、IMAGICA、日本出版販売、オメガ・プロジェクト
- 製作プロダクション:アスミック・エースエンタテインメント
- 配給:東宝 100分
- 同時上映:『リング2』
[編集] ストーリー
四国八十八ヶ所の霊場を死者の歳の数だけ逆に巡ると、死者が蘇るという禁断の「逆打ち」なる儀式が存在する。娘の死を悲しむ母親が、その「逆打ち」を行ったことにより生じる恐るべき物語……。
久々に故郷の四国は高知県の矢狗村に帰って来た明神比奈子(夏川結衣)。そこで比奈子は幼馴染みの日浦莎代里(栗山千明)が16の若さでこの世を去った事を知り驚く。そしてもう一人の幼馴染みの秋沢文也(筒井道隆)と再会した比奈子は文也から莎代里の死に関するある不吉な噂を聞く。それは代々死者の霊と交流する口寄せの家柄だった日浦家の跡取りである莎代里が、事故死などではなく霊を呼び出す儀式の最中に悪霊に取り殺されたというものだった。莎代里と交際していた文也は未だに莎代里の死を引きずっていた。そんな文也を案じ、気遣う比奈子は次第に文也に淡い想いを抱くようになる。文也もまた比奈子が莎代里を喪った悲しみを癒してくれそうな気がして、比奈子との距離を縮めていった。ある日村の聖地である“神の谷”に祀られていた地蔵の首が捥がれるという奇怪な事件が起こる。その事件を境に村では次々と不気味な現象が起こるようになった。その怪現象の原因は莎代里の母・照子に因るものだった。照子は由緒正しい日浦の血を絶えさせない為に、逆打ちで莎代里を蘇らせようとしていたのだ。死者の歳と同じだけ逆打ちを行うと黄泉の国の結界が破られ、四国はたちまち死者の楽園となってしまうのだという。比奈子と文也はその事実を知って照子の計画を阻止しようとするが・・・。
この世で最も冥土に近いと云われる四国を舞台に繰り広げられるジャパネスクホラー。
「生きて恋を成就させたかった。」
[編集] スタッフ
- 原作:坂東眞砂子
- 監督:長崎俊一
- プロデューサー:柘植靖司 永井正夫
- 脚色:万田邦実 仙頭武則
- 撮影:篠田昇
- 音楽:門倉聡
- 音楽プロデューサー:浅沼一郎
- 主題曲:米良美一「ぼくは雨となり星となる」
- 美術:種田陽平
[編集] キャスト
[編集] 漫画
1999年7月 あすかコミックスDX 刊(ISBN 4048530992)
牛島慶子による。小説の設定を借りながらも、ストーリー展開は別物。
[編集] 実際の巡礼との相違
この映画では「逆打ち」は死者が甦るので縁起が悪いとされているが、実際にはそのようなことはなく、今尚八十八ヶ所を順打ちで回り続けると伝えられる弘法大師に会えるはずだからとわざと逆打ちで回る者もいる。逆打ちは順打ちと比べて3倍の利益があるとされる。特に閏年に行うと、順打ち・逆打ち共に2倍の利益があるとされることから、6倍の利益がある計算になる。
[編集] 関連項目
- 土佐弁 高知が舞台であることから、全編にわたって土佐弁が話されている。
- 伊予弁 映画版も土佐弁が主であるが、愛媛のフィルムコミッションが協力していることにより伊予弁も聞かれる。
- 四国八十八箇所