梁山伯と祝英台 (ヴァイオリン協奏曲)
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ヴァイオリン協奏曲「梁山伯と祝英台」(りょうざんぱくとしゅくえいだい、中:梁祝小提琴协奏曲)は、何占豪と陳鋼が1958年に作曲したヴァイオリン協奏曲である。ピアノ協奏曲「黄河」とともに中国のクラシック音楽作品として代表的な曲の一つ。
[編集] 概要
中国の民間説話にある悲恋物語「梁山伯と祝英台」にもとづく越劇「梁山伯と祝英台」の旋律を題材に作曲されている。作曲者の2人は当時上海音楽学院の学生であり、教官達の助言を得て作られた。後にピアノ用にも編曲、その他二胡や琵琶独奏版などがある。曲中には華やかな技巧的な部分と対照的な甘美な部分が盛り込まれ、ポルタメントなどを多用した装飾的な旋律や、嘆きの場面に長調を用いたり、中国の民族打楽器を取り入れたりするなど、特徴的な作曲法が用いられている。
[編集] 曲の構成・内容
全1楽章。複雑な提示部と簡略化された再現部を持つ自由なソナタ形式であり、交響詩のように物語を描写して進む。独奏ヴァイオリンは祝英台をあらわし、曲中に出てくる独奏チェロは梁山伯をあらわす。
提示部は空虚五度の導入部から始まり、主部に入って独奏ヴァイオリンが主題を歌い始める。二人が共に学ぶ情景を現すアレグロ部分を経て、叙情的な彼らの別れの場面までが物語られる。
展開部に入り、力強い低音部が活躍する祝英台の結婚への抵抗(抗婚)の場となる。一旦、激しい曲調は収まり、提示部の最後に似たヴァイオリンとチェロの静かな二重奏が、2人の会合(楼台会)を表す。再び曲調は速くなり、梁山伯の死から祝英台が彼の墓へ身を投じる(投墳)場面までを物語り、短いカデンツァを交えながら、ここで曲の興奮は最高潮に達する。
再現部では、導入部と提示部の最初が穏やかに再現され、蝶への化身(化蝶)を奏でつつ曲は消え行くように終わる。