松尾孝
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松尾 孝(まつお たかし、1912年7月15日 - 2003年10月28日)は、日本の実業家。カルビー創業者。広島県広島市南区宇品出身。
[編集] 来歴
1905年に父親が創業し広島名産・柿羊羹製造の先駆となった「松尾巡角堂」を幼少期から手伝う。1931年広島一中(現広島県立国泰寺高校)卒。1937年父の死に伴い家業を引き継ぐ。戦後は鉄道草(ヒメムカシヨモギ)の団子やキャラメルを作り事業を続け1954年、戦後の米不足から日本で初めて小麦粉によるあられ製造に成功。1949年株式に改組し「松尾糧食工業株式会社」と社名変更。さらに1955年、栄養食品、健康食品の製品化を目指し、カルシウムとビタミンBを合わせた「カルビー製菓株式会社」に変更した。その後、乳菓・飴なども製造したが1964年、子供の頃近所の川で獲った小エビをヒントに、瀬戸内海で獲れるエビを殻ごとすりつぶし小麦に練り込む『かっぱえびせん』を発売。当時魚と一緒に網にかかる小型のエビは使い道がなかった。同商品は「やめられない、とまらない~」のCMで爆発的ヒット、またロングセラーとなりカルビーの今日の基盤を築いた。
また1971年から発売した『仮面ライダースナック』は社会現象にもなり、1975年から発売した『ポテトチップス』は、CM効果と全国縦断生産体制により他メーカーの追随を許さない超大型商品となった。1970年「カルビーアメリカ」、1980年バンコク「カルビータナワット」設立など海外展開も果たした。日本のスナック食品市場確立の多大な貢献により1976年藍綬褒章、1980年農林水産大臣賞などを授章している。
[編集] 参考文献
- 広島県大百科事典、中国新聞社(1982年10月)
- 超ロングセラー大図鑑、竹内書店新社(2001年9月)