本蘭明朝
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本蘭明朝(ほんらんみんちょう)は,写研の組版機で使用できる明朝体。
“蘭”は写研社内でデザインされたことを意味する。
写研は創業者石井茂吉が自らデザインした石井明朝を持ち,提供していた。これは平版オフセット印刷の特性を踏まえた書体で,すらりとした美しさを持っていたが,書籍用としては弱々しいという評価も広く存在しており,小説などの出版に際しては活字での凸版印刷が長らく主流を占めていた。
そのため同社では1975年,横画や文字の払い部分などを太く,強くすることで活字に匹敵する力強さと,全体の明るさを得た“本蘭細明朝体”を発売。これは後にファミリー展開にあたり“本蘭明朝L”と改称される。ちなみにLはウェイト(文字の太さ)がLight=細い,ことを意味する。
その後85年により太い6ウェイト(M,D,DB,B,E,H)を加えてファミリー化し,次第に普及し現代に至る。ファミリー化にあたっては,漢字は岡田安弘,仮名は鈴木勉がそれぞれチーフとしてデザインされた。