有棘細胞癌
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有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん prickle cell carcinoma)は皮膚癌の一つである。表皮細胞(理論的には、増殖能力を失った細胞である有棘細胞ではなく、表皮の幹細胞である基底細胞)から発生する。癌細胞自体は、有棘細胞に類似した形態に分化した姿のまま細胞分裂し増殖する。
皮膚の重層扁平上皮である表皮から発生する癌には他に、基底細胞癌が存在するが、基底細胞癌がほくろのような外見をするのに対して、有棘細胞癌は表面にびらんをもつ腫瘤を形成するので区別することができる。
有棘細胞癌の表皮内癌(上皮内癌)をBowen病という。自覚症状に乏しく疼痛も伴わないのが特徴である。
なお、「有棘細胞癌」と「扁平上皮癌」はほぼ同義語であるが、皮膚科学領域では組織学的なcounterpartの名称との対応(基底細胞と基底細胞癌、有棘細胞と有棘細胞癌)から、有棘細胞癌の語が好まれる。