春庭楽
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春庭楽(しゅんでいらく又はしゅんていらく)は雅楽の曲名。別名和風長寿楽・夏風楽。楽曲を一帖のみ舞う時は「春庭楽」と呼び、一帖・二帖を続けて舞う時(2回繰り返す)は「春庭花」と呼ぶ。唐からの伝来曲で、唐の則天武后の長寿年間(692年-693年)に作曲され、遣唐舞生の久礼真蔵(くれのまくら)が延暦年間(782年-805年)に日本に伝えたと言われているが、作曲者その他は不明。
この舞は一時中絶したものを承和年間に仁明天皇の勅により和邇部太田麿(わにべのおおたまろ)・犬上是成(いぬがみのこれなり)らが再興したと言われ、その曲名の通り春の節会に舞われることが多かった。現在でも皇太子冊立の式(立太子礼)に演奏されるのが通例である。
左方(唐楽)に属する4人舞。双調(そうじょう)の平舞。舞人は左方蛮絵装束(ばんえしょうぞく)で腰には太刀をつけ、背中には笏を入れ、挿頭花を付けた冠を被って舞う。番舞は「白浜」。