旧伊勢神トンネル
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旧伊勢神トンネル(きゅういせがみトンネル)は、愛知県豊田市の伊勢神峠にあるトンネル。伊勢神トンネル。国道153号の旧道。 1897年(明治30年)に完成した日本に現存する2つの石造りのトンネルのうちの一つであり、「伊勢神隧道」として国の登録有形文化財(2000年登録)になっている。延長308m、高さ2.2m。花崗岩積み。開通当時の荷物輸送の主役であった飯田街道に作られたトンネルである。当時は鉄道に予算が回され道路トンネルに予算がとられたのは珍しいことであった。
古く雰囲気のあるトンネルであり、周囲の環境も手伝ってか心霊スポットとしても有名であるが、このトンネルの建築時には死亡事故は発生していない。現在は1960年に開通した新伊勢神トンネル(開通時有料道路、1971年4月1日から無料開放)(全長1,245m)が開通したためこの古いトンネルはほとんど使われていない。
旧名の「伊世賀美」の由来は、峠に伊勢神宮の遙拝所があり、そこから『伊勢を拝む』→『伊勢拝み』→『伊世賀美』→『伊勢神』と転じたといわれている。なお、トンネル東側には大正6年に作られた旧 郡界橋(コンクリートアーチ橋)がある。