政治献金
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政治献金(せいじけんきん)とは政治家や政党に資金を提供すること。政治資金規正法では寄附とされる。
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[編集] 概説
政治活動には多額の費用がかかるため、政治家や政党は多額の資金を必要とする。しかし、そのために必要な資金を集めるために党費だけでは足りない時は、しばしば献金を募ることになる。
献金の種類は献金する行為者によって分類され、企業(法人)が行う企業献金(団体献金)と個人が行う個人献金(カンパ)がある。一般には、自立した個人が自主的・主体的に政治に参加するひとつの方法という意味で、政治活動に要する資金は個人献金で賄うことが望ましいとされることが多く、企業献金(団体献金)は政財癒着に繋がるという批判も多い[要出典]。企業による団体献金は「見返りを求めれば賄賂であり、見返りを求めなければ背任行為」として批判もされる。それに対しては団体献金を正当化する立場から「団体献金は見返りを求める賄賂ではなく社会的貢献のため、賄賂にも背任にも該当しない。もし直接的利益をもたらさない企業の社会的貢献が背任行為ならば、企業による社会的福祉事業なども社会的貢献ではなく背任行為に該当し、社会活動が萎縮する」とする反論がある。
現在の日本では政治家個人への献金は原則として禁止されており、政治家に献金しようとする場合は、政治団体(一政治家が一つだけ指定できる資金管理団体や、政治家の後援会など)を通じて献金することになる。これは個人献金のみ可能であり、企業献金は企業の意を受けた政治家によって政府の施策が歪められる原因にもなるため、一切禁止されている(≒賄賂)。
また政党へ献金する場合は、政党(本部および支部)へ直接献金する場合と政党が指定する政治資金団体へ献金する場合の2種類の方法がある。この献金は個人献金だけでなく企業献金も可能であるが、企業が、政治家が支部長を務める政党支部に対して献金するという方法を取れば、政治家が企業献金を受け取ることが可能になることから、企業献金の抜け穴であると批判されることもある[要出典]。また、こうしたことから、無所属議員は政党支部がないため企業献金を受け取る方法として政治資金団体のみに制限され、政党に所属する議員と比較して資金力に格差があると言われている[要出典]。
日本では政治献金には金額に上限が設けられているほか、国から補助金を受けている企業や3年継続して赤字の企業は政治献金ができない等の質的制限も設けられている。
なお、政党に対する献金や現職の国会議員の後援会に対する献金など、一定の要件を満たす献金(個人献金のみ)は寄付金控除の対象となり、所得税の減額措置を受けることができる。
[編集] その他
- 迂回献金
- 政党や政党の政治資金団体を媒体として特定の政治家に資金を提供すること。
- ソフトマネー
- アメリカにおいて、特定の政党へ寄付する場合に限って許される政治献金。1978年以降は上限無しの献金が認められていたが、選挙費用の増大につながり金権政治が横行したため、2003年に上限が規定された。
- ハードマネー
- 間接的な献金であるソフトマネーに対して候補者およびその組織に直接される献金のことをハードマネーと呼ぶ。