揺り篭
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揺り篭(ゆりかご)とは、幼児・乳幼児を収めてあやすための道具(家具・容器)である。揺籃(ようらん)ともいう。
[編集] 概要
揺り篭は、まだ自分で移動することのできない赤ちゃんなどを収めて揺らすことで、楽しませたり安眠できるようにするための道具である。ものによっては籠を天井などから吊り下げたり、または篭ではなく木の箱に揺らすための機能をつけたものもこのように呼ばれる。
古くはハイハイができるようになった乳幼児でも、家庭内で目を離した隙に段差などから落ちたりして怪我をしないよう、この揺り篭に収めておく様式も見られたが、近代以降ではベビーベッドなど、より広い内部で自由に移動できるようにした家具が使われる傾向が見られる。
乳幼児は、首が据わってくるようになると、何故か揺らされることを喜ぶ傾向がある。いわゆる「高い高い」などのあやし方もあり、揺り篭は子供をゆっくり揺り動かすために利用される。新生児を寝かせて、首や頭をしっかり支えた状態で、ゆっくり揺らしてあやす場合もある。揺り篭は、主に仰向けに寝かせて揺らしてあやすために用いられる。
- なお首が据わっていない新生児や体の未発達な乳児は、過度に体(特に頭部)を揺すると「揺さぶられっ子症候群」になるなどの危険性がある。ただし揺り篭では多くの場合、構造上でそこまで激しく揺することはできないが、あまりに激しく揺すりすぎて問題の出たケースも報告されている。
赤ちゃんが、何故揺すられて喜ぶかについては良く判らないことも多い。しかしながらこういった揺り篭は、世界各地にその類型が見出せる。
[編集] 慣用句として
- 「揺り篭から墓場まで」という慣用句は福祉に用いられるが、これは人生を通してケアするという意味である。世に生まれて、初めて接する道具が揺り篭という位置付けによる。
- 「人類の揺り篭」とはツィオルコフスキーが地球を指していった言葉。やがて成熟した人類は、宇宙に飛び出すだろうと予見した科白としてしばしば引用され、宇宙開発の歴史上で利用される。