幻肢
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幻肢(げんし、英 phantom limb)とは、事故、壊疽などの怪我や病気が原因で手や足を切断された患者が、失われた手足が依然そこに存在するかのように感じること。幻影肢ともいう。
幻肢をもつ患者はしばしばそれを意図的に動かすことができる。 逆にそれが動かせない場合、その幻の部位に非常に強い痛みを感じることがあり、それを 幻肢痛(げんしつう)という。
脳科学者で神経科医のラマチャンドランは、幻肢や幻肢痛とその原因・治療に関する医学的見地からの種々の興味深い報告を行っている。 またかつて現象学の立場から、こうした場面での心の意識の志向性について、フランスの現象学的哲学の代表者、モーリス・メルロー=ポンティがその著書『知覚の現象学』の中で議論を展開したことがある。
[編集] 参考文献
- V・S・ラマチャンドラン, サンドラ・ブレイクスリー (山下篤子訳) 『脳のなかの幽霊』, 1999, 角川書店 ISBN 4047913200;
V. S. Ramachandran, Sandra Blakeslee, Phantoms in the Brain: Probing the Mysteries of the Human Mind, 1998, William Morrow & Co, ISBN 0688152473. - M・メルロー=ポンティ, (竹内芳郎, 小木貞孝訳) 『知覚の現象学』(I,II), 1967, みすず書房;
Maurice Merleau-Ponty, Phénoménologie de la Perception, 1945, Gallimard: Paris.