尊信
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尊信(そんしん、嘉禄2年(1226年) - 弘安6年7月13日(1283年8月7日))は、鎌倉時代中期の法相宗の僧。摂政九条教実の子。九条忠家・宣仁門院九条彦子(四条天皇女御)らの兄弟。
暦仁元年(1238年)興福寺別当大乗院門跡の円実大僧正(関白九条道家の子)のもとで出家する。法相宗の教義を学び、更に円憲や専英に師事して法相宗の奥義を究め、それに加えて他宗にも精通した。宝治元年(1247年)の維摩会の講師を務める。その後、興福寺大乗院門跡を継ぎ、正元元年(1259年)第70代興福寺別当になり、大僧正に任ぜられた。文永3年(1266年)に興福寺別当職は辞任したが、弘安元年(1278年)に還補され、法務を兼ねた。この間、長谷寺別当を兼任している。弘安2年(1279年)12月に興福寺別当職を再び辞任。弘安6年(1283年)7月13日、58歳で入寂した。