宇津江四十八滝
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宇津江四十八滝(うつえしじゅうはちたき)は、岐阜県高山市国府町(旧吉城郡国府町)にある渓谷(谷)、滝。
宮川(神通川)の支流、宇津江川にある複数の滝がある渓谷である。岐阜県天然記念物、自然公園(宇津江四十八滝県立自然公園)、飛騨・美濃紅葉三十三選に指定されている。また1986年に「岐阜県の名水50選」に選定されている。
名称から、48箇所の滝があると思われてしまうが、実際には13の滝がある。48の数字は伝説(後述)からである。
[編集] 滝の名称
下流から記述する。数字は高さ。
- 魚返滝 6m
- 朝霧滝 2.5m
- 平滝 3m
- 函滝 11.5m
- 上段滝 10.1m
- 梵音滝 5.7m
- 王滝 18.8m
- 銚子口滝 10.8m
- 障泥滝 9.8m
- わん水滝 1.5m
- 瑠璃滝 6m
- 布晒滝 3m
- 上平滝 2m
[編集] 滝の伝説
- 昔、このちに「よそ八」という若者と母親が暮らしていた。病気の母親の為によそ八はイワナを釣りに出かけた。なかなか釣れない為、宇津江の山奥の大蛇の住む大沼に来てしまった。ここで釣りをしていると、木の上から大蛇ににらみつけられてしまい、大蛇の妖気でよそ八はねこんでしまった。
- その夜、一人の旅の娘がよそ八の元に訪れ、数十日看病をする。看病によりよそ八は元気になるが、娘は、「私は大沼の大蛇です。陸で千年、海で千年修業をし、空に昇る時がきましたが、あなたの親孝行を見て私の血で看病する事を決心しました。しかし、その為に私の力は無くなってしまいました。もう空へは昇れません。」と、姿を消してしまった。
- よそ八はなんとか大蛇を空へ昇らせようと思い、旅の行者に相談する。行者は不動明王に断食願掛けを行なった。21日間の祈祷の末、突然雷雨となり、大蛇は龍になり天に昇ったという。
- 後にこの話を聞いた弘法大師は、「行者は不動明王の化身。よそ八は四十八、つまり仏法48願である。」とし、このことから宇津江四十八滝と呼ばれるようになったという。