学校 (映画)
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『学校』(がっこう)は、山田洋次監督の映画作品。
1993年の日本映画。幅広い年代の生徒が集まる夜間中学校を舞台に、挫折や苦境から立ちあがる人々を描いた。焼肉店を経営する在日コリアンのオモニ、中年になるまで文字が読めなかったイノさん(田中邦衛)などが登場する。
下敷きになったのは、松崎運之助(みちのすけ)『青春 夜間中学界隈』(教育史料出版会、1985年)である。イノさん(猪田)のモデルは実在の井上という生徒であり、映画のエピソード(競馬の話、医学部生に夜間中学を紹介された話、急病で死去した話など)もほぼ事実である。
この映画によって、夜間中学校は一挙に知名度が高まった。
目次 |
[編集] ストーリー
夜間中学校に勤める黒井はある日校長に呼び出され「そろそろ異動を」と薦められていた。しかし黒井は「私は夜間に根を生やして『古狸』と呼ばれたいんです」とつっぱねる。黒井のクラスには働きながら夜間に通うカズ、中学校を不登校になったえり子、不良のみどり、日本の社会になかなか馴染めない中国人の張、焼肉屋を経営するオモニ、言葉の不自由な修、そして長年の肉体労働で身体を酷使したイノさんがいた。それぞれに違った環境でそれぞれの悩みを抱えつつ夜間に通う生徒たち。
イノさんが体調不良で田舎に戻り、療養中(教室には不在)であるところから物語は始まる....。
[編集] 出演
- 黒井先生 西田敏行
- 田島先生 竹下景子
- カズ 萩原聖人
- えり子 中江有里
- オモニ 新屋英子
- 張(チャン) 翁華栄
- 修 神戸浩
- みどり 裕木奈江
- 八百屋の親父 渥美清(特別出演)
- 河合茂 大江千里
- 土屋 笹野高史
- えり子の父 大和田伸也
- えり子の母 浅利香津代
- イノさんの叔母さん 園佳也子
- リネン工場の社長 坂上二郎
- 校長 すまけい
- 自動車解体工場の社長 小倉久寛
- イノさん 田中邦衛
[編集] スタッフ
- 監督 山田洋次
- 助監督 阿部勉
- 製作 中川滋弘
- プロデューサー 深澤宏
- 脚本 山田洋次・朝間義隆
- 撮影 高羽哲夫・長沼六男
- 音楽 冨田勲
- 美術 出川三男・横山豊
- 編集 石井巌
- 録音 鈴木功
- スクリプター 広沢栄
- スチル 金田正
- 照明 熊谷秀夫
[編集] シリーズ作品
- 学校II(1996)
- 学校III(1998)
- 十五歳 学校IV(2000)
- 不登校と自立を扱った作品。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- 映画のお話しシリーズ 学校
- 「わけ知り顔」の物言い 大西赤人
- <山田洋次の軌跡 第三部>連載第23回「学校」
- <山田洋次の軌跡 第三部>連載第24回「学校II」
- <山田洋次の軌跡 第三部>連載第27回「学校III」
- 映画瓦版 学校II
- 映画瓦版 学校III
- 映画瓦版 十五才 学校IV
- 山田洋次監督の職業訓練観-「学校III」をめぐる発言から-
- 「学校II」からのメッセージ
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