姉埼神社

姉埼神社（あねさきじんじゃ）は千葉県市原市にある神社である。式内社で、旧社格は県社。

風の神の支那斗弁命を主祭神とし、日本武尊・天児屋根命・塞三柱神・大雀命（仁徳天皇）を配祀する。

[編集] 歴史

紀記神話によれば、景行天皇40年、日本武尊の東征の際に走水の海で暴風雨に遭い、妃の弟橘姫の犠牲によって上総に上陸することができた。社伝では、日本武尊が当社鎮座地の宮山台で弟橘姫をしのび、風の神である支那斗弁命を祀ったのが当社の始まりと伝える。

日本武尊の歿後、父である景行天皇は日本武尊の縁の地を歴訪し、当社に日本武尊を合祀した。成務天皇5年、当地を支配していた上海上国造・忍立化多比命が天児屋根命と塞三柱神を合祀し、履中天皇7年、忍立化多比命の孫の忍兼命が大雀命を合祀した。

延喜式神名帳には「上総国海上郡姉埼神社」と記載され、小社に列している。

明治維新後、当地は木更津県となり、県社に列格した。

当社境内には松の木がなく、氏子区域内では正月に松を飾らないという風習がある。当社祭神の支那斗弁命は、島穴神社の祭神・志那津彦命と夫婦であるとされているが、いつ帰ってくるかわからない夫を思い「待つのはつらい」と嘆いたことから、「待つ」に通じる「松」が当地では忌まれるのだという。

また、姉弟の神様がいて、姉神の方が先に来て当地で弟神を待ったので「あねがさき」という地名になったという伝承もある。