大阪拘置所
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大阪拘置所(おおさかこうちしょ)とは、法務省矯正局の大阪矯正管区に属する拘置所。通称「大拘(だいこう)」。 7大拘置所(東京・名古屋・京都・大阪・神戸・広島・福岡)のひとつであり、東京拘置所に次ぐ規模を持つ。
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[編集] 所在地
[編集] 収容分類級
[編集] 定員
2,032名
[編集] 沿革
[編集] 組織
所長の下に4部を置く4部制の施設である。
- 総務部(庶務・会計・用度)
- 処遇部(処遇・作業・教育)
- 分類部(考査・審査・保護)
- 医務部(医療・保健)
[編集] 外観・設備
所内に死刑場を持っており、大阪矯正管区及び高松矯正管区内の死刑確定者を収容している。
施設の性格上、所内の構造や施設の写真・見取図などの持ち出しが認められていないため不明な点も多いが、元収容者や元A級受刑者(当所執行受刑者)の話を総合したところ以下の通りである。
- 受刑者収容施設はいくつかの棟に分かれており、それぞれの棟(○舎と呼ぶ)を中央の大廊下が連結する構造である。さらに中央の大廊下と平行な東廊下と西廊下で連結している。その時々によって被収容者の数が違うため棟の収容者区分が変更になることも多い。
- 基本的に1舎から9舎の受刑者・事件被告人収容棟があり、1~4舎が入り口から見て右側(東側)・5~9舎(西側)が左側となる。棟によって高さは異なり3階~5階建。通例7舎3階なら7-3と呼ばれる。各フロアによって雑居と独居がある。
- 1舎3階・8舎2階は当所執行受刑者、7舎2階は医務棟、7舎4階が病舎、4舎1・2階・9舎1階は移送待ち受刑者や労役・受刑被告などが収容される。
- 9舎は被収容者の増加に伴って増設されたらしく、1階で移送待ち受刑者が利用しているらしい(元々は8舎の一部であったとの説もある)。
- 男女は当然区分され、5舎1・2階が女区。また、特に重要な事件の未決収容者や死刑確定の受刑者は5舎3~5階に収容されているらしい。彼らは運動等で移動する場合も中央の大廊下ではなく西側の通路を使用することが多い。
- 面会所や職員の施設が入る棟は入口に一番近いところ(1舎の西側)にある。
- 処刑場は敷地北西端にある、整然と並んだ他の獄舎に対して少し斜めに建っている建物に存在する。その建物の地下室に車で横付け出来るスロープもある。
- 大廊下の南端3階(1舎3階の近辺)には講堂があり、慰問会やその他の行事に使用する。
その他、未決収容者が主に使用する囲い付きの運動場(大きくても10m四方程度)・当所執行受刑者用の運動場(ソフトボールができるほどの広さのグラウンド。納涼会や運動会もここで催されるらしい)・経理工場・営繕工場(施設の修繕、工事を行う)・炊事工場(収容者の食事を作る)・運搬・収理(収容者理髪係)・第一内掃・第二内掃・当所執行受刑者用の食堂(経理工場に隣接)・女子用運動場などがある。
[編集] 特記事項
- 完成後数十年経ち、施設全体的に老朽化が進んでいる。夏は大阪独特の暑さと湿気に悩まされる。
- 高所階の収容者は夏の天神祭の花火をまるで望郷の念と溜息で見る事が出来る。
- 窓から鳩に餌を与えると懲罰がまっている。
- 大声奇声を発したり暴れたりすると、本人及び周囲の者(職員及び他の被収容者)を保護する観点から、戒具を使用したり、保護房に収容することもある(他施設でも同じ)。
- 収容者が当所において何らかの要望を要求する場合は必ず「願箋(がんせん)」と呼ばれる用紙に内容を記入して提出する必要がある。医療(投薬)・発信(手紙の送信)・購買(日用品や食料)などが代表的。
- 2005年末頃から「白色スクールソックスは禁止」というドレスコードができた。
- 運動場では「テニポン」と呼ばれる小型のテニス(卓球のラケットとゴムボールを仕様)が楽しめる。
- 受刑者が願箋(がんせん)で購入できる商品に、ある意味で大阪拘置所名物とも言える「珍味するめ」という辛味料がたっぷりと付いた「するめ」がある。
[編集] 面会
面会は一人の受刑者に対して一日一回までで一回の面会に三人一組までが規則で、その日のうちに別の受刑者への面会はできない。
[編集] 差し入れ
- 食物(菓子、弁当、その他)については未決囚に限り、拘置所隣の差し入れ屋から食物・日用品等を差し入れることができる。(受刑者の差し入れについては日用品に限り可能)
- 衣類、書籍、現金に関しててはほぼ差し入れることができる。
差し入れ受付時間 08:30~11:30、13:00~15:30(2007.4.9現在)