壬生の花田植
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壬生の花田植(みぶのはなたうえ)は、広島県山県郡北広島町(旧・千代田町)で、毎年6月の第1日曜日に豊作を願って行われる伝統行事である。重要無形民俗文化財にも指定されている。
[編集] 概要
この地方には古くから組で田植をする時、ささらを持ったサンバイの指揮で大太鼓や小太鼓、笛や手打鉦で囃し、早乙女は田植歌を歌いながら田植をするという風習があった。これは田の神を祭って無病息災と、豊穣を願う農耕儀礼であるが、同時に苦しい田植作業を楽しくしようする方法でもある。そして、沢山の人々を集めて盛大にはやし田が行われるようになり、これに参加する牛は豪華な花鞍をささらに造花で飾られ、早乙女らは今日を晴れにと着飾った。その様子が美しく花田植の名が付いたと言われている。
きらびやかな装具をつけた飾り牛、かすりの着物に菅笠をかぶった早乙女、見事なバチさばきを見せる囃子手等、そのいずれもが、新緑の山、田んぼの水面にマッチし、初夏の一大絵巻である。