叡山電鉄デオ700系電車
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叡山電鉄デオ700系電車(えいざんでんてつデオ700けいでんしゃ)は、叡山電鉄の鉄道車両。
[編集] 概要
叡山電鉄(叡電)初の冷房装置搭載・ワンマン運転対応の車両である。旧車両の下回りなどを利用したため、当初は同社の在来車の廃車発生品を利用した吊り掛け駆動方式だった車両も存在したが、後に全ての車両が阪神や京阪から譲渡された部品に交換された結果、現在は全車カルダン駆動方式となった。正面は2枚の大窓で、横から見ると「く」の字に傾斜し、行先表示器も取付られるなど斬新なスタイルとなり、叡電車両の近代化の先駆けとなった。
塗装はワンマンカーを印象付ける為、それまで標準であったグリーンとクリームからマルーンとベージュの塗装(当時の京福電鉄福井支社や京都バスと同じ塗り分け)になっていたが、2005年に711号が「山」の愛称でクリームと緑帯基調に変更され、続いて712号が「もみじ」の愛称でクリームに赤帯基調で登場、さらに731号が「川」の愛称でクリームに青帯で登場した。今後、「新緑」が追加され、全4種類(各2両)のラインナップとなる予定である。
種車により詳細な形式は3種類あるが、車体はほとんど同じである。両端に扉がある2扉車で、側面中央部の窓だけは1枚ガラスの固定式となっているため、一見すると真ん中の扉を埋めたようにも見えるのが外見上の特徴となっている。
通常は単行運転であるが、2006年の10月22日に行われた「鞍馬の火祭」に対応する輸送では、デオ720形を2両連結して使用されている(ギャラリーの画像参照)。
[編集] 形式
デオ710形 - 711・712
- 1987年(昭和62年)、デナ21形23・24の下回りを流用して製造された。1991年(平成3年)~1992年(平成4年)、阪神電気鉄道から譲渡された主電動機および新製の台車で高性能化されたため、デナ21形由来の部品はほとんど残っていない。
デオ720形 - 721~724
- 1988年(昭和63年)、デオ200形201~204の下回りを流用して製造された。デオ710形の下回り更新以降はこの形式のみが吊り掛け駆動方式となっていたが、2002年(平成14年)12月の722から順次京阪1900系の廃車発生品を利用してカルダン駆動方式に改造され、台車も同車が使用していたKS-70形空気バネ台車に変更された。
デオ730形 - 731・732
- 1988年(昭和63年)、京阪1800系(2代)の下回りを流用して製造された。名目上はデオ300形の置換であるが、同車の機器に特殊なものが多かったことから、艤装と保守の問題で京阪1800系(2代)の廃車発生品が用いられた。
いずれも主制御器は京阪大津線260形の廃車発生品が流用されている。
[編集] ギャラリー
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現行車両 | 営業用:デオ900形 - デオ800系(800・850番代、810番代) - デオ700系(710形、720形、730形) - デオ600形 事業用:デト1001形 |
過去の車両 | 営業用:デナ500形(阪神831形電車) - デオ300形 - デオ200形 - デナ21形(20番代、120番代) - デナ11形 - デナ1形 事業用:デワ101形 |