勝手丼
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勝手丼(かってどん)とは、北海道釧路市に存在する和商市場の名物とされる丼物。
[編集] 概要
和商市場にある総菜屋から器と白飯を購入し、市場内の店で好みの具材を購入しのせて食べる。自由に組み合わせができ、市場に並んでいる新鮮な魚介類を具材にできるため人気がある。市場で提供しているため、基本的に朝食向け。上にのせる具材は別会計であり、各店によって価格とラインアップが異なる。具材は切り身や刺身一切れごとのバラ売りとして用意されているので、丼を持って市場をうろついていれば、店の人がお薦めのネタを教えてくれる。基本的に生の刺身、魚卵が多いため海鮮丼、もしくは生ちらしとする人が多い。酢飯を販売している総菜店もある。生魚が苦手な人向けに焼き魚やきんぴら、フライなどの総菜も各種用意されている。
市場内の店ということもあり、一見安価に食べられる印象があるが、勝手丼用に各店が用意する刺身などはいずれも他の魚介類より若干割高に価格設定されている。総菜屋にある安価な惣菜だけで作成すれば400円以下で作ることも出来るが、刺身、魚卵など一通り具材を載せると最低でも1500円から場合によっては3000円以上にもなる。
観光客を取り込もうと各商店では囲い込みを行なう。また、市場特有の威勢のよさもあり、初めての観光客などは、最初に具材を盛ってもらうところで勝手丼を完成させられてしまうことがある。複数の店を廻っての勝手丼を造るにはある程度の経験と度胸が必要である。店側が勝手に盛り付けるようなことから、この名前になったと誤解されることもあるらしい。
[編集] 歴史
発祥は1980年代なかばとされる。北海道には当時ミツバチ族と呼ばれたライダーがツーリングで多く訪れていたが、その多くは所持金に余裕の無いライダーであった。北海道の主要幹線道路ぞいにはそういったライダーを安価で受け入れる宿泊施設が点在している。そうしたライダーたちが釧路に訪れたとき、鮮魚店の店主らの好意から生まれたとされる。