前原宗房
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前原 宗房 （まえはら むねふさ、寛文4年(1664年) - 元禄16年2月4日（1703年3月20日））は赤穂浪士四十七士の一人。赤穂藩時代には金奉行(蔵奉行とも)10石3人扶持。通称は伊助(いすけ)。商才があり、吉良家出入商人に成りすまして吉良邸を探ったことで有名。
浅野家家臣前原自久の長男として赤穂藩浅野家江戸上屋敷に生まれる。延宝4年(1676年)10月9日、父自久の死により元服のうえ家督を継いだ。前原は江戸詰めの金奉行として勤仕したため、財政に明るかった。これが後に商人に成りすますのに大いに役に立つ。
元禄14年(1701年)3月14日に起きた主君浅野内匠頭の吉良上野介への刃傷の際に前原は江戸にいた。その後、江戸急進派として行動し、はじめ大石内蔵助らの盟約に加わらず、別行動をとった。はじめ日本橋あたりに住んでいたが、9月には吉良邸裏門近くの本所相生町二丁目に移住して「米屋五兵衛」と称して店を開業しながら吉良家の動向をさぐった。11月に内蔵助が第一次江戸下向をした際にその盟約に加わる。元禄15年4月には「小豆屋善兵衛」こと神崎与五郎と合流して一緒に暮らした。6月には浅草茶屋にて杉野十平次・武林唯七・倉橋伝助・不破数右衛門・勝田新左衛門らと同盟の誓約をする。また討ち入りの直前には亡君刃傷から討ち入りまでの経過を漢文体で書き綴った「赤城盟伝」を著しており(神崎与五郎が注釈をいれ、木村岡右衛門が序文を寄せた)、このなかで脱盟者のことを辛らつに評している。吉良邸討ち入りの際には裏門隊に属した。本懐後は長府藩毛利家に預けられ、元禄16年(1703年)2月4日に毛利家家臣榊政右衛門の介錯で切腹した。享年40。主君浅野内匠頭と同じ高輪泉岳寺に葬られた。法名は刃補天剣信士。
忠臣蔵のドラマなどでは、前原は吉良邸探索中に小林平八郎か清水一学に感づかれてボコボコにされるのがお決まりになっているが、とりたてて何か確証がある話ではないようだ。
