内田秀男
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
内田 秀男 (うちだ ひでお,1921年 - 1995年) は、日本の電子技術者。NHK技術研究所に勤め、後、内田ラジオ技術研究所長。工学博士。福井県出身。 NHK技術研究所時代には、新型真空管の開発に従事した。イオンクラフトの研究でも知られた。昭和20年代より『無線と実験』誌などに寄稿した。
目次 |
[編集] トランジスタ発明の逸話
トランジスタの発明は、技術通史ではショックレー、バーディーン、ブラッテンによって1948年6月になされたことになっている。しかしこのトランジスタと同等の鉱石増幅器を内田秀男がトランジスタの論文発表の半年前に発見していた逸話が伝わっている。内田秀男の発見は上司の無理解によって発表の機会が失われた、もしくは米軍占領下の日本という状況下でGHQの検閲に合い未発表となった云々という。 この逸話に対する反論もあり、それによると当時の日本では高純度のシリコンやゲルマニウムの結晶を入手できなかった以上、信憑性が低いとする。
なお、NHKスペシャル 電子立国日本の自叙伝 第2回 「トランジスタの誕生」 において、アメリカでトランジスタが開発されたと聞いた多くの技術者が追試を試みたが、そのときですら高純度の半導体が手に入らなかった(ゆえに追試が困難であった)との解説がなされている。また最初のトランジスタである接触型トランジスタは高純度の半導体結晶の表面における電子的性質の研究の過程で発見された。
[編集] その他の逸話
他にも、テレビに白い斑点が出現することから、アメリカの原子爆弾が新型爆弾であったことをいち早く発表したことでも有名。しかし、この時も旧日本陸軍により、「士気の低下につながる」として発表に制限を受けた。
戦後は秋葉原のラジオセンターにて「内田ラジオアマチュアショールーム」という店舗を構え真空管や無線部品などを広く扱い、この店は今でも秋葉原の小さな名所として古くからの無線愛好家達が集う。
長男は現東海大学副学長・工学部長および情報デザイン工学部長の内田裕久であり、次男の内田晴久と共に水素吸蔵合金をはじめとする水素エネルギーや磁性材料分野の発展に大きく貢献している人物。
[編集] 超常現象方面
超常現象を電子工学的に考察する日本における先駆者。 内田式オーラメーターの発明者であり、日本サイ科学会副会長である。
[編集] 著書
- 『四次元世界の謎 (正・続)』 (『電波技術』誌の連載をまとめたもの) 大陸書房、1970。
- 『新四次元世界の謎』 大陸書房、1972。
- 『神秘の四次元世界』 大陸書房、1974。
- (共著) 『四次元図鑑』 (「空飛ぶ円盤の飛行原理」を寄稿) 池田書店、1974。
- (監修) 『ノストラダムス大予言原典 諸世紀』 ISBN 4884810066