仁右衛門島
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仁右衛門島(にえもんじま)は、太平洋にある島。千葉県鴨川市太海の沖合約200mにあり、周囲約4kmの千葉県でもっとも大きな島で個人所有。源頼朝や日蓮聖人の伝説で知られる。千葉県指定名勝。新日本百景にも選ばれている。
島主である平野仁右衛門の名に因み、この名前になったといわれている。 夏涼しく冬暖かい風光明媚な自然の楽園。金銀針茄子(キンギンナスビ)という珍しい植物もみられる。島の南側は荒々しい海岸線がみられ、自然の防波堤の役割も果たしている。
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[編集] 歴史
代々島主は平野仁右衛門を名乗り、現在の島主が推定で38代目。
治承4年(1180年)、伊豆・石橋山の戦いに敗れた源頼朝が安房に逃れた際、平野仁右衛門に助けられ、この島で平家軍から一時身を隠し、巻き返しを図ったと言い伝えられる。この時、頼朝より、この島一帯の漁業権を与えられて以来、現在に至るまで平野仁右衛門一族がこの島を守り伝えている。数々の伝説があるが、元禄16年(1703年)に、鴨川を襲った大津波により、系図、古文書等のほとんどが流失したという。また近年の千葉県史研究財団の調査により、わずかに残っている島の資料から、日蓮上人が名を成した後にも、仁右衛門島を訪れた形跡があることを突き止めた。平野家は元来天台宗であったが、以降、日蓮宗に改宗したという。
現在の平野家家屋は、宝永元年(1704年)に建て直されたもので、観光客にも公開されている。
[編集] 地理
- 鴨川市太海浜445
- 面積約0.03km²
[編集] 観光名所
- 神楽岩
- 島主(平野家)住居
- 芭蕉塚
- 亀岩
- 源頼朝のかくれ穴
[編集] 交通
[編集] 仁右衛門島への交通
JR内房線太海駅より徒歩12分、渡し舟で約5分。1350円、中学生1050円、5歳~小学生950円(往復乗船料、島の観覧料)。午前8時半から午後5時まで随時運行。なお浅瀬で距離も近いので泳いで上陸もできるが、保安の監視がいて入島には同様の料金がかかる。渡し舟は手漕ぎ。観光バスの観光客の場合は、太海フラワーセンターの駐車場に駐車し徒歩で渡船場へ。