二十の扉
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
二十の扉(にじゅう-とびら)は1947年11月1日から1960年4月2日まで、毎週土曜日の夜7時30分から30分間、NHKラジオで放送された日本のクイズ番組である。敗戦の二年後から1960年代にかけて、NHKラジオの看板番組・人気番組だった。
アメリカで放送された同様のクイズ番組「Twenty Questions(二十の質問)」をモデルに製作された。
放送は、NHK第1スタジオで公開で行われた。司会は藤倉修一アナウンサー。宮田重雄(医師、画家)、柴田早苗(女優)、藤浦洸(作詞家)らがレギュラー解答者を務めた。レギュラー解答者4人と、週替わりのゲスト解答者1人の計5人で答えていく。
目次 |
[編集] ルール
解答者と藤倉アナウンサーの質疑応答形式で問題が進められる。解答者の質問に対して藤倉アナウンサーから返ってくる答えをヒントにして、20問以内に正解を出せばよいという方式だった。会場内には出題時に、解答者の席から見えないところに正解の書かれたポスターが張り出され、観客に知らされた。解答者が正解を導き出せそうな質問をすると、観客から拍手が起こり、惜しい答えが出されたり、正解から遠ざかる質問が出されたりするとため息が漏れた。解答者にとっては、藤倉アナウンサーからの返答のほかにも、こうした観客の反応が暗黙の“ヒント”になっていた。また、聴取者にも、出題時に「影の声」として答えが放送された。すでに答えを知っている観客や聴取者にとっては、解答者がどのように答えを導き出していくかとか、誰が正解を出すかなどという過程を見たり聞いたりする楽しみもあった。
[編集] 出題方法
問題はすべて聴取者から寄せられた。ある物事を「動物」「植物」「鉱物」のいずれかのジャンルに分けたうえで出題される。例えば、「犬」が正解の場合には、出題時に「“動物”です」と解答者に告げられる。ここからその動物が何であるか、藤倉アナウンサーとの質疑応答で推理していき、最終的に20問以内に「犬」という答えが出せればよいのである。大人から子供まで、世代を問わず、誰でも楽しめたことから、国民的な知名度と人気を誇った番組だった。
[編集] 「ゲスト大会」の開催
また、レギュラー解答者による通常の放送のほかにも、「ゲスト大会」が頻繁に開かれた。歌舞伎界、政界、プロレス界、文壇などといった、普段あまりクイズとは縁のなさそうな分野からもゲストを招いた。ルールは通常とまったく同じだったが、クイズとそれほど関わりのなさそうな解答者たちが懸命に考え、答えを出そうとする姿を通して、解答者たちの意外な一面が見られることもあり、レギュラー解答者による通常の放送とはまた違った楽しみや盛り上がりがあった。聴取者にとっては、ゲスト解答者が答えを考えている姿を想像するというのも、この番組ならではの楽しみ方だった。また、質疑応答における解答者とのトークを盛り上げたり、解答者たちが考えている様子を的確な表現で描写したりして、お茶の間に届けた藤倉アナウンサーの話術も光る番組だった。
[編集] 関連項目
[編集] 外部リンク
- Web上の二十の質問(20Q)。多言語対応。