三脚
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
三脚(さんきゃく, Tripod)は3本の脚を持つ台のことである。三脚架(さんきゃくか)、三脚台(さんきゃくだい)などともいう。なお、一本脚の台は、一脚(Unipod)という。
目次 |
[編集] スチルカメラ用途
スチル用の一般的な三脚は、脚が丸型もしくは角型のパイプで作られ、三段から四段に延長できる。カメラの高さを調整する度に脚を延長するのでは面倒なため、クランクで操作できるエレベータ機構を持つ。また、用途や好みに合わせて雲台(ヘッド)を交換できるようになっている。
大型のカメラや望遠レンズを使うための比較的に頑丈で大きなものと、旅行時にセルフタイマーで記念撮影などを行うための小型のものに二分できる。後者は小型化するためにエレベータもなく、雲台も固着していることが多い。大きさからいって、地面や床に直接に設置するというより、何か別のものに乗せて使い、カメラを自由な向きに向けて固定するといった使い方となる。
カメラ用三脚の取付けねじの規格では、ISO 1222 及び JIS B7103 によって、おねじを 1/4-20UNC または 3/8-16UNC、長さ4.5mmと定めている。めねじの寸法は互換性を考慮して許容差を大きくしている。
[編集] シネ、ビデオカメラ用途
スチルカメラより大きく、重く、さらにねじれを防止するため、2本のパイプで脚が造られていることが多い。また、ボールレベラ(水準器)を使用するための椀が付いている。これにより、素早くヘッドの水平(レベル)が取れるようになる。スチル用と異なり一般的にパン棒が長く、スムーズな追尾撮影が可能となっている。
テレビ放送のスタジオでテレビカメラを支えるキャスター付き三脚をドリーと呼ぶ。
[編集] その他光学機器用途
望遠鏡、トランシットなどの機器を、手ぶれを防ぐ、あるいは機器から手を放してもよいように、安定して保持するための支えとして用いられる。
簡単に運搬できるように、脚の開閉、伸縮ができるものが一般的だが、天体望遠鏡や大型双眼鏡の三脚は、剛性を考慮して、開脚角度が一定で伸縮も出来ない三脚も多い。要するにネジ止めしてあるのである。もちろん、容易に設置、移動できるように蝶ナットを使うなど、工夫されている。
[編集] 軍事用途
機関銃など比較的重い兵器を地面に設置するのに使用される。これによって射撃精度が向上し銃手の負担が少なくなる。反動を吸収する働きを持つもの対空射撃への仰角を取ることができるものもある。ただ、重くて頻繁に移動する目的には向いてない上、目立つために火力あるいは防御力が無い兵器には逆効果である。そういう兵器には二脚を使う。
剛性を確保するため、アライメント(ホイール・アライメントと同義)は調整できるものの、伸縮機能はついていない。機能の高いものは35-40kg程度の重さがあり、設営・撤退・移動の際は分解し、2~3名で分担して持ち運ぶ。