三次人形
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三次人形（みよしにんぎょう）は、広島県三次市の伝統的工芸品で粘土を原料とした土人形である。
粘土を型にはめて成形し素焼きで焼き上げ、最後に彩色と膠（ニカワ）の塗布を行う。この表面に塗った膠が出す独特の光沢から別名「光人形」とも呼ばれている。
広島県県北部では、三月の初節句には子どもの誕生の喜びと成長への願いを託して、男の子・女の子ともに三次人形を贈る風習がある。
三次人形の製作技術は、2006年（平成18年）4月17日に広島県の無形文化財として指定された。
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[編集] 歴史
[編集] 起源
三次人形の起源には2つの説が存在する。
- 寛永年間(1633年ごろ)に、三次藩主浅野長治が江戸浅草の人形師、森喜三郎を連れ帰リ歴史上の勇者や伝説上の人物の土人形を作らせ、家臣が一子をもうけるたびに、祝いとしてこの土人形を贈った事を起源とする説。
- 1854年（嘉永7年)5月に石見国から大崎忠右衛門が妻と子供を連れて三次に来て、三次市山家町に良い土をみつけ、宮ノ峡（現、三次町）に住み、窯を築いて焼いたのを起源とする説。
[編集] 十日市人形
明治初期に大崎忠右衛門の孫にあたるノブと結婚した丸木儀十郎も土人形の制作に励んでいたが離婚。丸本儀十郎は独立し原村（現、十日市町）に別の窯を造る。儀十郎は宮ノ峡窯元の伝統を継ぐとともに、各地の人形を収集して研究改良を加えている。このため人形は2ヶ所で製造されることになり、この頃に製造された宮之峡デコの裏には「三次宮ノ海人形本元」という刻印がある。宮ノ峡でできた人形を「宮ノ峡人形」、十日市でできた人形を「十日市人形」と呼ばれた。 その後、宮ノ峡窯元は大正時代に入り窯をしめる。また、十日市人形も昭和17年、第二次世界大戦によりやむなく製造を中断する。
[編集] 再興
1956年（昭和31年）、4代目丸本十九瓶が、周囲の知識人や文化人から応援を受けて再興し、名称を三次人形に改める。新聞記者を職業としながら伝統の三次人形を作り続けるが昭和40年に急死。その後は、十九瓶の妻昌子、そして現在丸本たかしに引き継がれている。
[編集] 三次人形の種類
- 天神（菅原道真）
- 座像・立像・牛乗り・松負・梅持など数種類ある。
- 女物（特定の名前はない）
- 菊・牡丹・瓢箪・桜・扇など日本らしいものを抱いている。
- 武者物
- 男児の雄々しい成長を成長を願うもの。加藤清正、源義経、関羽などがある。
このほか、同様の願いを込めた人形として金太郎も数種類作られている。
[編集] 三次人形窯元
- 所在地：〒728-0014 広島県三次市十日市町南4丁目12-7
- TEL：0824-63-7502
- 見学時間：平日9：00～17：00まで
