三大仙
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三大仙(さんたいせん)は、西遊記に登場する妖仙達。 虎力大仙(こりきたいせん)、鹿力大仙(ろくりきたいせん)、羊力大仙(ようりきたいせん)の三人で、風と雨を呼ぶ五雷法の術を得意とする。
かつて水不足に瀕していた車遅国(しゃちこく)を五雷法の術により救い、 国王から絶大な信頼を得て車遅国の国師になる。 妖怪であることを秘密にして、僧侶達を迫害していた。
三蔵一行が車遅国を訪れた際、三蔵を食べるために術比べを挑む。 しかし、最終的に三人ともに命懸けの術を悟空に妨害されて死亡。その際に、死体も正体である動物の姿になる。
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[編集] 虎力大仙
虎の精(とらのせい)とも。
三蔵と雨乞いの術比べをするが、孫悟空が風を操る神々を威嚇し、四海龍王に根回しをしたために敗北する。悟空と四海龍王を呼び出す術比べをするも負け、三蔵との座禅比べでもやはり悟空が三蔵に助力したため負ける。どうしても負けを認めたくないため、悟空に首を斬られて生き返る術勝負を挑む。先に悟空が首を落とされ、再生に成功する。続いて虎力大仙が首を切り落とされるが、悟空が犬の分身を使って虎力大仙の首を奪い取り、川に流してしまう。首を元に戻せなくなった虎力大仙は命を落とし、死体も元の虎の姿に戻った。
[編集] 鹿力大仙
鹿の精(しかのせい)とも。
虎力大仙と三蔵の座禅比べの際、体毛を南京虫に変えて三蔵に噛み付かせた。 しかし悟空に気づかれて失敗する。 虎力大仙が死んだ後、自らの腹を裂いて内臓を抉り出し再び元に戻す術を悟空に挑む。 悟空が先にそれを行い成功し、続いて鹿力大仙が内臓を取り出すが、 悟空の分身が化けた鷹に内臓をもっていかれ、死亡する。
[編集] 羊力大仙
羊の精(ひつじのせい)とも。
虎力大仙が三蔵に座禅比べで負けた後、板を隔ててその向こう側に隠されている物を当てる隔板猜板(かくばんさいばい)の術を挑むが、悟空の作戦により敗北する。 虎力大仙、鹿力大仙の二人が悟空の術勝負に敗れた後、悟空に煮えたぎる油の入った釜で入浴する術勝負を挑む。 しかし、悟空に油を冷やすからくりを見破られ、そのまま煮えたぎったままの油の中に入る破目になり、結局羊の油揚げになった。
[編集] 参考文献
- 草野巧 『幻想動物事典』 新紀元社、1997年。ISBN 4-883-17283-X。
- 三猿舎 『西遊記キャラクターファイル』 新紀元社、2007年。ISBN 4-775-30573-5。