ロマネスク
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ロマネスク(仏:Romanesque)は中世西ヨーロッパの建築・美術のうち、中世後期のゴシック以前のものを区別して用いる。ロマネスク建築、ロマネスク美術、ロマネスク様式などという。
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[編集] ロマネスクという語
ロマネスクとはローマ風のという意味で、19世紀以降美術史の用語として使われるようになった。それ以前はロマネスクもゴシックも中世の美術という大きなまとまりとして捉えられていた。ロマネスク建築ではローマ時代の建築に多く使われた半円アーチを開口部の構造に使うことが特徴とされる。
[編集] 建築
詳細はロマネスク建築を参照
ロマネスク建築はフランスなどを中心に11世紀以降の中世ヨーロッパで発達したもので、主に教会堂や修道院建築である。10世紀にはカロリング朝が衰退、滅亡し、社会的に混乱期であったが、紀元1000年を機に教会堂の復興が進められ、ロマネスク建築の教会堂が多く建設された。
絵画・彫刻は主に建築を装飾するために作られた。
[編集] 絵画
ロマネスク美術は素朴な信仰心に満ちた美術様式である。当時の絵画は文字の読めない人々にキリスト教を教える役割を果たした。東ローマの影響を受けた教会堂の壁画のほか、写本装飾に優れたものが見られる。
[編集] 彫刻
教会堂の壁面や柱に彫刻がほどこされた。建築から独立した彫刻作品が作られることはまだなかった。