ロベルト・ヴァルザー
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ロベルト・オットー・ヴァルザー(Robert Otto Walser、1878年4月15日 - 1956年12月25日)は、スイスのドイツ語作家。
スイスのベルン州ビール市に生まれる。兄5人、姉1人、妹1人という子沢山の家庭で、兄の1人カールは後に画家として成功し、弟ロベルトの著作に挿絵を寄せている。学費が続かなかったことから中学を中退し、銀行員や保険会社に勤めた後に詩作品の発表を始め、デーメルやヴェーデキントらと交友を持った。作品の大部分は小説とも随筆とも言い難い散文小品(Prosastück)からなり、屋外の情景や日々の物思いを綴り新聞や雑誌に掲載されたのち、幾つもの本にまとめられた。小説作品には召使をした経験を元に書いた『ヤーコプ・フォン・グンテン』(1909年)などがある。5歳年少のフランツ・カフカは彼の愛読者の1人であった。
晩年は幻聴を聴くようになるなど精神を病み、スイスの療養所で20年以上作品を発表することなく暮らしていた。病院の近くの雪山を散策中、心臓発作を起こして急死。
[編集] 日本語訳
- 白雪姫(新本史斉訳、『現代スイス文学三人集』所収、行路社)
- 拍手喝采/散歩(丸山匠訳、『現代ドイツ現代小説』所収、白水社)
- ヤーコプ・フォン・グンテン(藤川芳朗訳、『世界文学全集74 カフカ ヴァルザー』所収、集英社)
作品集
- ヴァルザーの小さな世界(飯吉光夫編訳、筑摩叢書)
- ヴァルザーの詩と小品(飯吉光夫編訳、みすず書房)