ロビン・フッド
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ロビン・フッド (Robin Hood) は、中世イングランドの伝説上の義賊である。
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[編集] 概要
弓の名手で、イギリスのノッティンガムのシャーウッドの森に住むアウトロー集団の首領とされる。吟遊詩人により一編の物語として編集され、一般に広まる。
ロビン・フッドに類似した名前は、アウトロー(法の保護外の者)の盗賊の代名詞として使われていたようで、13、14世紀のいくつかの文献、資料に登場する。
まとまった物語の存在への言及は、14世紀のウィリアム・ラングランドの長編詩「農夫ピアズの夢」において触れられているのが最古である[1]。歴史書にも名前が登場し、1241年没という伝承もあるが、実在性に関しては確実な資料は存在せず、何人かの実在の人物の伝承が複合して形成された可能性が高い。ヘリワード・ザ・ウェイク(Hereward the Wake)などがモデルとして挙げられている。
当初の伝承は、ノルマン・コンクエスト後に、ノルマン人に抵抗する、所領を奪われたサクソン人貴族であり、その後、エドワード1世時代の設定になり、義賊、マリアンとのロマンス、あるいは十字軍帰りなどの設定が加わった。16世紀以降、リチャード1世(獅子心王)時代の人物となり、リチャード1世が十字軍遠征に赴いている間にジョン王の暴政に反抗した人物として描かれるようになった。
[編集] ロビン・フッドの登場する作品
[編集] 文学作品
- ロビン・フッド物語(The Chronicles of Robin Hood) ローズマリ・サトクリフ (山本史郎訳、原書房 ISBN 4562037784)
- アイヴァンホー(Ivanhoe) ウォルター・スコット (ロビン・フッドとその仲間たちが登場する)
- 幻のロビンフッド(The Death of Robin Hood) P・ヴァンシッタート (出版:昌文社)
- ロビン・フッドに鉛の玉を(Bullet for A Star) ステュアート・カミンスキー (文春文庫) 推理小説
[編集] 映像作品
- ロビン・フッドの冒険(The Adventures Of Robin Hood, 1938年アメリカ映画) - 監督:マイケル・カーティス、出演:エロール・フリン、オリヴィア・デ・ハヴィランドなど。
- ロビン・フッド(1973年アメリカ映画、アニメ) - ディズニーのアニメ作品。監督:ウォルフガング・ライザーマン。キツネのロビン・フッドがライオンのプリンス・ジョンの悪政から庶民を救う物語。日本での公開は1975年7月5日。
- ロビンとマリアン(1976年アメリカ映画) - 監督:リチャード・レスター、出演:ショーン・コネリー、オードリー・ヘプバーンなど。
- ロビン・フッド(1991年、カナダ、ドイツ、イギリス、アメリカ映画) - 監督:ジョン・アーヴィン、出演:パトリック・バーギン、ユマ・サーマンなど。
- ロビン・フッド(1991年アメリカ映画) - 監督:ケヴィン・レイノルズ、出演:ケビン・コスナー、クリスチャン・スレーターなど。
- ロビン・フッド キング・オブ・タイツ(Robin Hood: Men in Tights, 1993年アメリカ/フランス映画) - 監督:メル・ブルックス、主演:ケアリー・エルウィズ。上記ケヴィン・コスナー版を初めとする、様々なロビン・フッド映画のパロディ。
- アニメ『トムとジェリー』の一編、「Robin Hoodwinked(邦題「我こそ勇者」)」
- 捕らえられたロビンをトムとジェリーが救出するエピソード
- ロビンフッドの大冒険(アニメ)
[編集] 楽曲
- いとしのロビンフッドさま(榊原郁恵)
[編集] 注
- ^ 怠け者の司祭が、「主の祈り」はよく覚えていないが、ロビン・フッドの詩は知っていることを告白するくだりがある。V.396 in Schmidt's ed.