レベリオン
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『レベリオン』は三雲岳斗/著、椋本夏夜/イラストのライトノベル。電撃文庫刊。
目次 |
[編集] ストーリー
謎の高校生連続殺人事件に揺れる高城市。ごく普通の高校生であった緋村恭介は、夜の道端で血塗れで倒れていた少女を助けようとして重傷を負い、意識を失う。しかし翌日病院で目覚めると、その傷は跡形もなく消えていた。自らに起こった異変に戸惑う恭介。前日の夜に助けた少女が転校生として恭介の前に再び姿を現したとき、事件の歯車は回りだす。SF風学園アクション。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] 登場人物
- 緋村恭介(ひむら きょうすけ)
- 高城学園に通う高校2年生(物語開始時)。アマチュアロックバンド『紅い月』のヴォーカル。二輪の免許を持っていて、愛車は姉から譲り受けたXJR400。香澄を助けようとして瀕死の重傷を負うが、香澄の血液を与えられたことによって真性レベリオンと化し、一命を取り留める。同じクラスの草薙萌恵に片想い中。
- 発現したトランスジェニック能力は、"滅びの咆哮"<ブラスティング・ハウル>。恭介の声を衝撃波に変換して、遠くにある物体を破壊することができる。また、この能力を用いて悪性レベリオンに対して呼びかけることで、その暴走を止めることができる。
- 秋篠香澄(あきしの かすみ)
- 統合計画局に属する非合法特捜官(イリーガルインスペクター)。恭介を監視する為に同じクラスに転校してきた。しかし実は年齢は恭介よりも2歳年下である(本人曰く、飛び級しているのでズルではない、との事)。海外生活が長く、博士号を持つ天才。整いすぎた顔立ちは相手に冷たい印象を与えることもしばしば。ツンデレキャラ。
- 発現したトランスジェニック能力は、"嘆きの拳"<スクリーミング・フィスト>。対象との衝突の瞬間に強力な超振動を発生させ、相手を倒す。短剣やロープ等を介して威力を増幅することも可能。
- 緋村杏子(ひむら きょうこ)
- 恭介の姉。医者。一般人でありながら非常に鋭い観察眼を持ち、恭介の身に起こった異変にも気がついている様子。無敵超人。恭介は勿論、香澄も頭が上がらない。様々なところにコネを持っている。度胸が据わっており、生身の人間でありながらアーレン・ヴィルトールを撃退したこともある。
- 草薙萌恵(くさなぎ もえ)
- 恭介の同級生。相手に温かい印象を与える少女。以前通っていた高校でいじめに遭っていたという過去を持ち、それが原因で高城学園に転入している。物語が進むにつれて恭介の身に起きた変化を感じ取るが深くは追求しない度量の持ち主。
- リチャード・ロウ
- 統合計画局の特別捜査官。高城学園の英語教師として赴任する。本名クリス・レイトナー。統合計画局のエージェントの男性は皆リチャード・ロウと名乗る。しかしこの名前は米国でいうところの「名無しの権兵衛」の意味に等しく、あまりの胡散臭さに緋村杏子にはアッサリその正体を見破られていた。
- 秋篠真澄美(あきしの ますみ)
- 香澄の姉。R2ウィルス流出事件の首謀者の一人とされる。香澄と共にR2ウイルスを研究し、作り出した。真性レベリオンである確率が極めて高いが実際には不明で、そのトランスジェニック能力についても全く不明である。
- アーレン・ヴィルトール
- 元統合計画局の特別捜査官。階級は少佐。R2ウィルス流出事件の首謀者の一人とされる。統合計画局脱走時に警備員60人、レベリオンの特別捜査官を4人殺害している。リチャード(クリス)のかつての友人。
- 発現したトランスジェニック能力は、"神の雷槌"<サンダー・ヘッド>。自分の周囲に電撃を発生させることができる。
- 燁(はな)
- 秋篠真澄美が連れる、小学生くらいの幼い少女。大の大人でも読まないような難解な学問書を愛読しており、最早彼女の会話の相手は各分野の専門家にしか務まらない。完全であるが故に感情がなかったが、恭介や萌恵のことに興味を示し、それから感情を持つようになった。
- その正体は第二段階レベリオンと呼ばれるもので、普通の真性レベリオンとは違い、見ただけであらゆるトランスジェニック能力を模倣することができ、必要とあらば羽や触覚など人間にない機能を作り出すことすらできる。
- 高岡陸也(たかおか りくや)
- R2ウイルスの元になったR054ウイルスに感染した最も力の強い7人のレベリオン、"レベリオン原種"<オリジナル・セブン>の一人。リチャード(クリス)とはかつて友人だったが、数年前に起こったある事件が原因で憎まれている。燁の実の父親で、燁を取り戻すために秋篠真澄美を狙っている。
- 発現したトランスジェニック能力は"血塗られた炎"<ブレイズ・トゥ・ブレイム>。体内に蓄積されたエネルギーを使って放つ炎。原種の能力のため非常に強力で、全レベリオン中最高の威力を持つと詠われる。
- 皆瀬梨夏(みなせ りか)
- 香澄と同じ、統合計画局の非合法特捜官で、レベリオンの少女。香澄に代わり、一時的に恭介の保護監視の任務に就く。以前高城市に住んでいたことがあり、恭介の親友である市ノ瀬潤とは小学校のクラスメイトで、彼に好意を持っていたらしい。
- 発現したトランスジェニック能力は"混沌の瞳"<ヴィジョン・オブ・デイスオーダ>。全てのトランスジェニック能力の中でも最速の能力で、眼球の水晶体を利用し生体レーザーを放つ。普通、レベリオンの瞳は金色だが、彼女がこれを使用した場合のみ深紅に変化する。
[編集] 用語
- レベリオン
- R2ウィルスに感染した人間の総称。プロ・レベリオン(真性レベリオン)は強力な治癒能力と反射神経に加えてトランスジェニック能力と呼ばれる肉体を変化させて発動する特殊能力を得ることが出来るが、そうなる確率は一割に満たない。ヴィルレント・レベリオン(悪性レベリオン)と呼ばれるR2ウィルスに適合できなかった人間は、理性を失い凶暴化、筋力の強化に肉体が耐え切れずやがては死に至る。
- R2ウィルス
- 海底より発見された古代ウィルスR054を元に開発された生物兵器。統合計画局による研究が進められている。詳細は謎に包まれているが、真性レベリオンに発現するトランスジェニック能力が、基本的に自然界に存在する生物の能力が変異したものであることなどから、全ての生命の進化の可能性を内包していると見られる。感染した人間は体質によって真性・悪性のどちらかのレベリオンとして覚醒する。極めて危険なウィルスとして扱われ、研究成果の多くも闇に包まれている。
- RAVE
- 正式名称はR2 Ancillary Virus Extract。弱毒化したR2ウィルスと真性レベリオンの血液を元に作られた錠剤。服用する量が少なければ麻薬と同じような効果をもたらすが、大量に摂取した場合は通常のR2ウィルスと同じ効果が現れる。
- 統合計画局
- 正式名称は生物戦防衛統合計画局。香澄やリチャード・ロウが所属する機関。アメリカ国防総省(ペンタゴン)の内部機関であり、R2ウィルスの研究機関でもあった。現在はR2ウィルスの拡散を防ぐために活動している。
[編集] 既刊一覧
- レベリオン 放課後の殺戮者 ISBN 4840215200
- レベリオン 弑殺校庭園 ISBN 4840216851
- レベリオン 炎を背負う少年たち ISBN 484021977X
- レベリオン 彼女のいない教室 ISBN 4840220328
- レベリオン 楽園に紅き翼の詩を ISBN 4840221499
[編集] クロスリンクについて
『i.d.』はレベリオンの3年後の世界が舞台となり、高城市や高城学園が登場する。また作品終盤にて登場した皆瀬梨夏が大学3年生に成長して登場するなど、関連性が深い。 『少女ノイズ』では皆瀬梨夏が主人公の大学の特任準教授として登場する。またこの時点での皆瀬梨夏は「三十歳を過ぎているはず」との記述がある。