レジェンド / 光と闇の伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
レジェンド / 光と闇の伝説 Ledgend |
|
監督 | リドリー・スコット |
---|---|
製作 | アーノン・ミルチャン |
脚本 | ウィリアム・ヒョーツバーグ |
出演者 | トム・クルーズ |
音楽 | ジェリー・ゴールドスミス |
撮影 | アレックス・トムソン |
編集 | テリー・ローリングス |
配給 | FOX |
公開 | 1986年4月18日 1987年8月 |
上映時間 | 94分 |
製作国 | アメリカ |
言語 | 英語 |
制作費 | $30,000,000 |
allcinema | |
IMDb | |
『レジェンド / 光と闇の伝説』(Legend)は、1985年製作のアメリカ映画。北欧神話を題材としたファンタスティック・アドベンチャーである。
目次 |
[編集] ストーリー
大古の世界。美しい2頭のユニコーンに魅せられ、決して触れてはならぬその角に触ってしまった王女リリー(ミア・サラ)。1頭のユニコーンが倒れたことで世界は呪いをかけられ、彼女もまた闇の魔王(ティム・カリー)の手に落ちてしまう。森の若者ジャック(トム・クルーズ)は、リリーの救出に乗り出すが…。
[編集] キャスト
- トム・クルーズ
- ミア・サラ
- ティム・カリー
- ダーヴィット・ベネント
- アリス・プレイトン
[編集] スタッフ
- 監督:リドリー・スコット
- 製作:アーノン・ミルチャン
- 脚本:ウィリアム・ヒョーツバーグ
- 撮影:アレックス・トムソン
- 音楽:ジェリー・ゴールドスミス(国際版)、タンジェリン・ドリーム(アメリカ公開版)
- 特殊メイク:ロブ・ボーティン
[編集] 解説
『エイリアン』『ブレードランナー』で高い評価を受け、注目を浴びたリドリー・スコット監督によるファンタジー作品。監督自ら手がけた舞台美術と、一級の特殊メイクで作り上げられたクリーチャーたち、若手俳優として人気急上昇中だったトム・クルーズや、本作がデビュー作となったミア・サラの起用など、ハリウッド映画としての話題性は高かったものの、映画そのものは単調で盛り上がりに欠けるストーリー展開と演出が目立ち、低い評価と興行的失敗に終わる。本作の失敗により、リドリー・スコットは暫く雇われ監督の身となったことでも知られる。
また、劇場公開時には2種類のバージョンがあり、1つは当初の予定通りにジェリー・ゴールドスミスによる格調高い音楽が付けられた「国際版」。そしてもう1つはタンジェリン・ドリームによるロック音楽が付けられた「アメリカ公開版」である。後者は「若者向けにアピールした方が良い」と、当時のユニヴァーサル会長だったシドニー・シャインバーグの直言を受け入れたもので、何も知らされずに音楽を差し替えられたゴールドスミスはこれに激怒。『エイリアン』でもリドリー・スコットによって勝手に曲を差し替えられた経緯もあり、以後ゴールドスミスはスコットと組まなくなる。後にスコットが業界紙「ヴァラエティ」1面を買い取ってゴールドスミスに謝罪広告を出すまでに至ったが、ゴールドスミスは「何で許さなくてはならないのだ」と反論広告を出し、決裂したままとなる。この事件は、映像面でのセンスは抜群なものの、音楽面でのトラブルが絶えないリドリー・スコットらしいものと言える。
もともとのオリジナルは約140分ほどあったが、製作サイドの思惑で大幅にカットされ、「国際版」では94分に、「アメリカ公開版」では89分に再編集された。尚、本作は後に114分の「ディレクターズ・カット版」としてアメリカでDVDリリースされている。
上記のとおり不遇な経緯のある本作だが、一方で、ロブ・ボーティンの特殊メイクによるクリーチャーの評価は高く(アカデミー賞メイクアップ賞ノミネート)、ティム・カリーが熱演した闇の王のデザインは現在でも関連商品がリリースされるなど未だに人気が高い。本作の“本当の主役”はトム・クルーズではなく、特殊メイクをほどこしたティム・カリーだとする観方もあるほどである。