ヨルムンガンド (漫画)
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『ヨルムンガンド』(よるむんがんど)は「月刊サンデーGX」(ジェネックス)で高橋慶太郎により連載されているガンアクション漫画。
2006年11月17日、第1集発売。作者の初単行本となった。
武器商人ココ・ヘクマティアルと少年兵ヨナを含む彼女の私兵 (PO) 達の戦いと日常を描く。
目次 |
[編集] イントロダクション
―――僕は、武器商人と旅をした。
両親を戦争で失い、武器に関する一切を憎む主人公の元少年兵ヨナは、神の悪戯か、若き女性ウェポンディーラー、ココ・ヘクマティアルと、その部下である「ヒトクセもフタクセもあるが優秀な」私兵8人と世界各地を旅する事になる。
「ER」「CSI」に代表されるような、海外ドラマなどから影響を受けたと思しき登場人物の多彩さが織りなす物語と、独特の鋭角的な描線に書き文字、ベタ及びダークトーンを多用した作画が冴える一作。
注意:以降の記述で物語・作品に関する核心部分が明かされています。
[編集] 登場人物
[編集] ヘクマティアル分隊
(※注意事項:本項キャラクターの設定に関しては、月刊サンデーGX2006年12月号掲載の、連載前に作成されたと思しきキャラ表に基づく為、連載進行と共に変化する可能性がある)
- ココ・ヘクマティアル
- 主人公(本来はヨナも主人公であるが、ヨナとココの2人を併せる事によって『主人公』像を描写する手法が取られている)。
- 職業、武器商人。白人銀髪のうら若き女性。年齢は「20代前半」との事。分隊の若手には「お嬢」と呼ばれる。
- 海運の巨人と称されるフロイド・ヘクマティアル(未登場)の実子。双子ではないが顔がそっくりの兄・キャスパー(後述)がいる。
- 学校に通った経験は無いと言うが、実業家としてのビジネスマナーや教養は備えている。なお、酒癖が悪く、動くもの全てにプロレス技をかけるとのこと。(しかしこれをくぐり抜けたものはココの裸踊りを見ることが出来るらしい(第2集オマケマンガより)。)
- 彼女自身は武器を売ることはあっても、武器を手にした場面は現段階では一度も無い(GX誌の表紙等除く)。
- 武器を売る理由は、本人曰く「世界平和のため」。その意味する処は読者間で様々な説がある。
- HCLI社ヨーロッパ・アフリカ兵器運搬部門の現場担当の一翼を担う顔を持つ。
- 分隊に新たに加わったヨナを気に入っているようで、暇さえあればベタベタしている。
- 名前の綴りはKoko Hekmatyar。
- ヨナ
- 言葉少な目な主人公。銀髪の元少年兵。西アジア某国の山岳部隊出身。
- 元少年兵であるため、正規の教育を受けていないが、「英語はなかなかのもの」と評されている。しかし算数は苦手で、2桁同士の掛け算にも苦戦する。
- 過去に親を殺されてから、武器とそれに携わる者を激しく憎むようになった。しかし武器に頼らなければ生きていけなかった境遇から、武器の扱いには長けており、武器が持つ恐ろしさと頼もしさをともに理解している。
- 愛銃はFN-FNCライフルとFN Model HiPower Mk3。
- 入隊の儀式(全てを一新したタマゴ君という事で、タマゴ料理を作る)では、苦い、辛い、酸っぱい、甘いなど、人によって味の変わる珍妙なタマゴ焼きを作った(単行本第一集オマケマンガ「ムンムンガンド」に収録。ココは段々と美味く感じ、バルメは段々と幻覚が見えてきた)。
- 本名はジョナサン・マル。第二集巻頭での綴りはJonah。
- 4巻第20話によると過去の負傷でお尻に弾丸が残っているらしいが摘出手術は行っていない(その際『手術が怖いわけじゃないが注射が怖い』と子供らしい脱力発言をして分隊全員をスッ転ばせた)
- レーム
- ヘクマティアル分隊のリーダー格。白人の年配の男性。古参兵らしき風格が漂っており、実戦の司令塔として分隊員に指示を出す立場に回る事もある。飄々とした性格と『実にオッサンくさい』物腰が特徴。
- ソマリア内戦に従軍経験がある模様。前述のキャラ表によれば「何でもソツなくこなす超傭兵」。年齢設定は「40近い」とのこと(これに関しては連載開始時に変更された模様)。ココについていく理由を「おもしろいから」と語る。チェキータ(後述)と、結婚しては別れを何度も繰り返しているという。SOCOM Mk23とM4カービンライフルを愛用している様子。綴りはLehm。
- バルメ
- ヘクマティアル分隊のメンバー。隻眼の白人女性でスタイル抜群、常に右目に医療用眼帯を着用している。冷静沈着な性格と物腰から、分隊の面々からは「アネゴ」と慕われている。左肩から肩胛骨にかけて鳥のタトゥを彫り込む。
- 元は正規軍の少佐(国名・地域不明なれど、単行本第3巻カバー裏に描かれたベレー帽には、国連のワッペンが付いている)で、戦闘経験も豊富な様子。特にナイフファイティングでは右に出る者がなく、隻眼という大きなウェイトを感じさせない程の腕前。
- 過去の軍時代、裏切りで全てを失ったという。これは回想カットの「銃剣を付けた二挺拳銃の男」によるものと思われる。
- 分隊メンバーの中では、ココとはとりわけ仲が良い。それどころかレズビアンの気があるのか愛情さえ抱いている様子。が、一方でココが新人のヨナにベタベタしているのへ、ジェラシーを感じていたりもする。ココ関連の話題になると鼻血を出すことも多い。
- 大の煙草嫌いらしく、レームが車内で煙草を吸うのを咎めるシーンが複数ある。
- なお二集巻頭での綴りはValmet、キャラ表によれば年齢「30才くらい」とある(佐官であった経歴を鑑みると、変更された可能性が高い)。
- 本名はソフィア・ヴェルマー。
- トージョ
- ヘクマティアル分隊のメンバー。日本人または日系人と思われる若い男性で、眼鏡を着用。
- 情報処理を担当する事が多く、ココに代わって交渉を担当する事もある(だがココの交渉能力には遠く及ばないらしい)。戦闘能力もなかなかのものでステアーAUGなどを使用。
- キャラ表によれば、漢字表記は「東條」、35才とのこと。彼もバルメ同様設定が変わったのか、連載準備段階の横顔よりも若干若く見える。二巻巻頭での綴りはTojo。
- ヨナへの『授業』では算数を担当。
- ワイリ
- ヘクマティアル分隊のメンバー。黒人、眼鏡姿の男性。38才。キャラ表には爆弾・爆破と、特技らしき技能が記されており、「African golden butterfies Phase.1」で海賊のボートを爆破してみせた。ルツとコンビを組んで長距離狙撃のスポッター(観測手)役を務める事も。綴りはWilee。
- ヨナへの『授業』では語学を担当。
- マオ
- ヘクマティアル分隊のメンバー。肌の浅黒い男性。35才。綴りはMao(=毛?)。名前から察するにチャイニーズ系の様子。分隊唯一の家族持ちで、祖国に妻と一男一女を残している。アジア某国の砲兵部隊出身で、事故により部隊が解散、クビになったところをココに拾われたという。
- ヨナへの『授業』では理科担当。愛銃はH&K G36の模様。
- ルツ
- ヘクマティアル分隊のメンバー。白人の若い男性。20代後半との記載あり。
- 軽口が目立つお調子者で、警察特殊部隊の狙撃手上がり。格闘戦や山岳戦のような野外戦は苦手なようで、単行本第3集のおまけ漫画ではバルメとの格闘戦でいいようにあしわられ、カレン・ロウ率いる部隊との戦闘では、分隊内でただ1人負傷。挙げ句、山中でのヨナとの1対1の模擬戦では、全身をペイント弾で染められるというネタキャラ扱いだがその狙撃技術は確か。オーケストラ(後述)の「師匠」を900m以上の距離からシグブレーザーR93(ココの台詞が真実なら.338ラプアマグナム弾使用)でハートショットして膝を着いたところのヘッドショットをノーミスで決めたり川幅270mの距離で船の上と思わしき場所から敵狙撃手二名の狙撃銃の銃身のみを狙撃し破裂させる(観測手を務めたワイリ曰く「花を咲かせる」)離れ業をやってのけた上に「レームならもっとうまくやってのける」と慢心もしていないなど都市定点狙撃に関してはレームについで腕がいいようだ。
- 狙撃観測手役のワイリとコンビを組むことが多い。綴りはLutz。
- ウゴ
- ヘクマティアル分隊のメンバー。白人(または東南アジア系?)と思わしき、筋骨逞しい男性。綴りはUgo、30才ぐらい。
- 優れた車両運転技術の持ち主で、主に分隊の車両運転を担当。後述の殺し屋コンビ「オーケストラ」の機関銃掃射から、車内に1人の死傷者を出すことなく回避してみせたことも。かような運転技術の信頼性からか、ココ個人の運転手を務めることもある。
- 同時に車好きでもあり、ココに分隊の新車両としてVW・トゥアレグを与えられると子供のように喜び、また分隊の愛車だったボルボが南アフリカに置き去りになった際は、ショックのあまり意気消沈、ココ曰く「超ブルーモード」に陥っていた。
- アール
- ヘクマティアル分隊のメンバー。白人の若い男性。キャラ表には、「ロメオ=R=アール」と記述されている。綴りはRの一文字のみ。
[編集] CCAT社のキャラクター達
- カリー社長(第1集第3話 - 第5話『PULSAR』ほか)
- イングランドCCAT社の社長。ココとは物語開始以前から面識がある模様。東欧各地からスティンガー携行対空ミサイルをかき集めてポルック少佐らに納入した。
- ミルド(第1集第3話 - 第5話『PULSAR』ほか)
- 女性。カリーの部下にして戦闘要員。バルメ・ココとは旧知の仲らしい。全身のありとあらゆる所にナイフを仕込んでおり、バルメと一戦交える局面も。カリー曰く「戦闘狂」。バルメの生き方に憧れを抱いているらしい。
- ルー(第1集第3話 - 第5話『PULSAR』ほか)
- 男性。同じくカリーの部下にして戦闘要員。ミルドと行動を共にする。左頬に二筋の古傷あり。出番・台詞はあまり無いが、暴走しがちなミルドの尻拭いを黙々とこなす苦労人。
[編集] オーケストラ
- 師匠(第2集6 - 10話『ムジカ・エクス・マキーナ』)
- 男性。国籍、人種、経歴、犯罪歴、年齢、本名の全てが不明。
- 職業は殺し屋。「フランスで警官隊相手に2万発撃った」(ココ談)という、殺し屋グループ『オーケストラ』の生き残り。ココらとの邂逅を前に弟子としてチナツを率い、ドバイで壮絶な銃撃戦を繰り広げた。銃撃戦を音楽に喩え『演奏』と呼び、銃器を『楽器』と称する。ルツらのロングレンジ狙撃によって心臓と頭部を撃たれ死亡。
- チナツ(第2集6 - 10話『ムジカ・エクス・マキーナ』)
- オーケストラの生き残りである殺し屋を『師匠』と呼び、彼に付き従って新生オーケストラ2人目のメンバーとなった少女。初仕事でのジンクスを理由にノーパン。テンガロンハットが特徴。
- 師匠を失うまでは、「〜なのだ」を口癖として、極めて軽いノリで殺戮及び狩りを楽しんでいたフシがあるが、師匠を殺害された瞬間、憎悪と憤怒により豹変。
- 『師匠』の形見であるM8000ハンドガンとロザリオを持ち去り、潜伏して復讐を期していたが、小隊が宿泊するホテルに屋上から侵入しようとした所を捕捉された。
- その素性を気に入られたココに「飼ってやる」と分隊へ誘われるが、本人はこれを拒否。ココに銃口を向けた瞬間レームに狙撃され、死亡。この時パンツは穿いていた。(ジンクスとは、師匠との初仕事の際、川を渡って下半身がズブ濡れになり不快だったため、こっそり脱ぎ捨てたところ「やたらと弾が当たって褒められた」ため。)
[編集] 基地の人々と子供達(第3集収録・『Vain』の回想より)
- ユスフ・ガスード
- ヨナがかつて所属していた部隊の基地に、新聞記者と偽って潜り込んだキャスパーの部下。マルカの死によるヨナの暴走で射殺された。
- 副司令
- ガスードと結託して、キャスパーの手回しした装備更新により生まれる金を手にすべく、上官である基地司令に銃を向けさせた。ガスードと同じくヨナに射殺された。
- モーリス
- 基地司令に保護されていた4人の孤児のうち、生き残った男の子。キャスパーの弁が本当であれば、残り2人の子供と共に日本での生活を保障されている事になる。
- マルカ
- 同じく、基地司令に保護されていた女の子。ガスードがうっかり踏んだ対人型ポップアップ地雷の盾にされ、死亡。彼女の死により、ヨナは副司令とガスードに対して、基地のほとんどの兵士を巻き添えにする壮絶な殲滅戦を展開する事になった。
- 司令
- 西アジア某国地上軍で、ヨナの所属していた最後の原隊司令官だった男。4人の孤児を見捨てられず基地で養っており、その事に対して副司令は「基地は保育所じゃねぇっての」と不満をあからさまにしていた。マルカを死亡させたのと同じポップアップ地雷により死亡。
[編集] その他のキャラクター達(おおむね登場順)
- 内務次官(第1集第1話『炎兎』)
- ココ達が輸送してきた、MiG-29三個飛行隊相当の近代化改修キットの通関を妨害。内務省直属と思われる特殊部隊「旭日(ボスホート)6」を動員するが、彼らは銃撃戦の末、ヨナの正確な射撃により対戦車ミサイルを発射する寸前に頭を撃ち抜かれ、自分達が乗る車両内部へとミサイルを発射してしまい爆死。官房監察委員会に召還され、失脚。
- C・K・クロシキン(第1集第2話『ガンメタル・キャリコロード』)
- フリーランスの武器商。主にヨーロッパで活動。諜報員くずれとの噂も(トージョ談)。
- 戦闘ヘリコプター・ハインドD15機を空軍に納入しようと企み、同時にスナイパーを配置してココに「一枚かませろ」的な圧力をかけるが、納入の試みはトージョとバルメの交渉術で撤回、スナイパー達は分隊の「狩り」によって全滅させられる。ヨナの銃撃によって頭部を撃たれて死亡。
- ポルック少佐(第1集第3話 - 第5話『PULSAR』)
- 第1集の舞台となった、東欧某国のロシア国境付近を担当していると思しき、フライトジャケット姿に細目の佐官。ココらから対空ミサイル8基を受領するが、レーダーユニットの追加発注をネジ込もうとする。また、実戦に遭遇して「ブルった」キャリア組の上官を、強制的に罷免したか殺害したかしたらしい。
- 「この私が、後金で契約するわけないじゃん!!」とレーダーユニットの契約を渋るココらと、CCAT社のメンバー両方に監視役を付けるが、ココ側の監視役はバルメ・トージョによって拘束され、CCAT社側の監視役はミルドが殺害してしまう。結局紛争はミサイル納入後1日で終わり、無事生存。
- スケアクロウ(初出:第2集6話『ムジカ・エクス・マキーナ』)
- 本名は不明。CIAエージェントとして、ジェリー・シャッツバーグ名義のIDを持つアメリカ人男性。軽薄かつ粗暴な言動が目立ち、ココやヨナを一方的に暴行する場面もあった。ココらの身柄と、『オーケストラ』との銃撃戦の模様を写した監視カメラのデータ提供をドバイ警察当局に求めるが、ドバイ警察はココ達と癒着関係にあった為、この要求は拒否された。
- ココは彼の目的を「金づる探し」と言っている。また、キャスパーは「金策の才能があるので合衆国に重宝されてて自由がきく」と語っている。合衆国本国の意向で動いている模様。「俺の仕事は、悪党が稼いだ金を正義の鉄槌でブン取る事だ!」(要約)とのたまっている。
- 口癖は「〜ってゆー。」
- キャスパー・ヘクマティアル(初出:第2集11話 - 第3集13話『Vain』)
- ココの実兄。「双子でもないのにソックリ」とはバルメ談。ヨナの少年兵時代に関わりがあり、出会うなりヨナは激昂してナイフを突きつけるという事態に。ココは彼等の因縁を知っており、キャスパーとヨナが出会わないよう手回しをしていたが、それは失敗。結局、この騒動はチェキータの介入によって無血で収まっている。綴りはKasper Hekmatyar。
- チェキータ(初出:第2集11話 - 第3集13話『Vain』)
- キャスパーの副官的存在の女性。作戦行動中はバラクラダで顔を覆っており、顔を見せたのは第3集収録の12話以降。愛称「チェキ」。右腕にタトゥあり。武器はP90またはMP5(『Vain』Phase3)。後にレームとかつて夫婦の関係にあった事が明かされた。レームいわく「口の悪い女」らしい。
- 陳国明(チェン・グオメン)(初出:第3集第15話『African Golden Butterflies』)
- 香港の貿易商「大星海公司」(ターシンハイコンス)の専務である老人。部下には「少将」と呼ばれており、カレンの言及により、人民解放軍の非公然工作部隊に繋がっている事が推測される。脚が悪く、立つときは常に杖をついている。
- ココを高級中華料理店での食事に招待し、「共同歩調か、さもなくば死を」という狙いがあったようだが、意外にもスケアクロウとショコラーデの根回しでココらは現場を脱出する事に成功した。
- キャスパーは事前に陳らの危険さを察していたらしく、南アフリカに向かう船上でココに直接警告していた。
- なお、近年アフリカでの中華系資本・勢力の増大と、各国の資源争奪戦は急速に拡大しつつある。それに呼応するかのように、米軍はアフリカの気候風土・文化等に対応できる『AFRICOM』軍団を編成し始めた旨が、本作の掲載約2ヶ月後に現実の報道で伝えられた。
- カレン・ロウ(初出:第3集第15話『African Golden Butterflies』)
- 陳の副官と目される女性。身体能力はかなりのもので、ナイフも何も無しのまま、いかにも屈強な男をさっくり殺せてしまうらしい。
- ドクター・マイアミを巡ってヘクマティアル分隊と山中で衝突、二挺のSIG GSR拳銃に銃剣を装着した独特のスタイルがバルメの過去の記憶を刺激、タイマンの白兵戦を展開する。階級は中尉(銃剣はチェコのチェスカー・ゾブロヨフカ社・Cz SP-01のオプションがモデルと思われる)。
- ドクター・マイアミ(初出:第3集第16話『African Golden Butterflies』)
- 本名:天田南(あまだ・みなみ)、日本人科学者。ココとは友人で同い年。現在はドイツ企業のオモチャメーカー南アフリカ工場に勤めるが、必ずといっていいほど彼女の作る物は軍事転用されてしまう、ロボット技術のスペシャリストである。自分の研究が応用された兵器で人が殺し合うことについて、本人は特に良心の呵責などない模様(「増えすぎだよ、人間」と発言)。
- 絶滅危惧種である美しい蝶を個人で追うほどの蝶マニアで、その知識とロボット技術を応用した蝶型のロボットを傍で浮遊させている。
- 『African Golden Butterflies』終幕で貝を採取していた事などから、生物の感覚器官等の応用研究を行っていると推測される。ココに半年後に再会する旨のメモを書き残し、物語より一旦退場。
- モコエナ(初出:第3集第16話『African Golden Butterflies』)
- マイアミの秘書である黒人男性。通称「モコ君」。子供のように振る舞うマイアミをサポートする苦労多き人物。南アのスポーツ選手に同姓の人物が多数実在し、現地ではありふれた名字の模様。
- マリーン(初出:第3集第16話『African Golden Butterflies』)
- ドクター・マイアミの所属するオモチャメーカー「メルヒェン社」の社員で、黒人女性。マイアミのアポすっぽかしや不在をひたすら謝る立場。兵器見本市「DIESA」会場で陳とカレンに関する情報をココにもたらした。
- ショコラーデ(初出:第3集第17話『African Golden Butterflies』)
- CIA南アフリカ駐在の技術屋を勤める白人女性。髪の毛は四方八方にハネている。スケアクロウ曰く「食い意地張ったバカ女」だが、ココと陳が会談を持った高級中華料理店のVIPルームに盗聴器を仕込むという、「超スゴ技」(本人談)を披露した。名前はコードネーム。「〜っす」が口癖。
- アマーリア・トロホブスキー(初出:第21話『モンド・グロッソ』)
- 元有名舞台女優にして引退後兵器ディーラーに転向した美熟女。フランス:ダッソー社所属。中東B国へユーロ製UAV(無人航空機)を納入する取引を巡ってロンドン入りしたココと対立することとなる。
- 資産家であった亡夫から受け継いだ武器関連の資産と人脈を駆使するに加えて、持前の美貌と機転で常にココより先んじてB国陸空軍の要人を次々と懐柔していく。
[編集] 人権のため発言する医師団(Outspoken Doctors for Human rights:ODH)
- レオン・リビエール(初出:第26話『Dragon Shooter phase.2』)
- ヘクマティアル分隊がバルカン半島、T共和国X自治区の正規軍宛に122mm砲弾を空輸する際HCLI本部よりねじ込まれる形で同乗する事となった人道支援団体「人権のため発言する医師団(以下ODH)」の医師長。ルツが『「伝説の傭兵」かと思ったぜ。』と表現するほど屈強な外見をしている。国連等、公な場での発言力があることで有名。
- マルグリット・メスナー(初出:第26話『Dragon Shooter phase.2』)
- 通称マギー。ODHのメンバーの一人で、若く明朗な女性だがヨナのような少年兵を『見慣れました。』と発言するあたり、NGO活動の中で多くの事実を目の当たりにしてきたことが窺い知れる。
[編集] バルカン・ドラゴン
- ドラガン・ニコラヴィッチ(初出:第26話『Dragon Shooter phase.2』)
- T共和国の民兵組織、「バルカン・ドラゴン」通称「バルドラ」のリーダー。この男自身もバルドラと呼ばれる。T国軍の将軍の子であり10歳にして非行に走り、20代には西欧各国を犯罪旅行した。強盗・襲撃・殺人。投獄されるたび、父親のコネで政治家が助け出し、50を過ぎた今も組織を率いて犯罪を繰り返している。レオン曰く『世界代表クラスのクソ野郎』。
[編集] 劇中に登場するハードウェア(銃火器除く)
- イリジウム衛星携帯電話
- 物語の要所要所でたびたび登場。物語をスムーズに廻してくれるキー・アイテムである。
- 海上輸送コンテナ
- ココの父・フロイド氏が海運王と称される為か、商品である兵器を含む様々な物を輸送・受け渡しするシーンにたびたび登場。
- ボルボSファミリー
- 第1話よりたびたび登場。右ハンドル仕様で抗弾改造が施されている。南アに置き去りにされてしまったが……?
- ハンヴィー
- 第1話登場のボスホート6が使用。
- Mig-29
- 第1話で近代化改修キットを巡っての攻防が展開された。
- ペトリオットミサイル
- 第3話でポルック少佐が野戦レーダーも追加で欲した事から、シルエットだけよく似た兵器と思われる。
- ホンダ・CR-V
- ドバイにて、オーケストラの攻撃をしのぐためにやむなく大破。
- VW・トゥアレグ
- CR-Vの後継。14話「海路」より登場。キーを渡されたウゴは感涙するほど喜んだ。
- デネル・オリックス (Denel Oryx) ヘリコプター[1]
- 15話で海賊が使用。劇中では26mmロケットを装備するも、マオとレームが発射したM134ミニガンによって撃墜。
- ハインドシリーズ
- 現在までにD型・V型・スーパーMk5の3種が登場。おそらく日本娯楽漫画で一番ハインドの登場種が多い作品であろう。
[編集] その他の事柄
- レギュラーの登場人物が多い為、初出時は名前の部分の写植をゴシック体で強調する措置が取られている。
- 作者の同人誌「空中楼閣4」では、デビュー作である『Ordinary±』の主人公・伊万里に、ココがポリゴナル・バレルを渡すという短編が掲載されている(頒布されたのは連載決定のかなり前。2003年夏のコミックマーケット64である)。
- 2007年3月号で初の巻頭カラー掲載を果たした際、その見本誌を読んだ編集長が、キャラ配置を無印ガンダムとオーバーラップさせてしまい、小学館公式Web内の編集者日記で、持論を2日間に渡り熱く語るという暴走行為に及び、部下から諭されたという逸話がある。
- 第一集が発売から半月も経たずに重版されてしまい、オビの文章もほんの少し変わった為、『初版のオビ付き新古本美品』はそこそこ貴重である。
- 2006年12月号掲載のインタビューで、「セリフは俳句だと思う」「8×3でフキダシに収めろと講談社時代に教えられた」旨の発言がある。
- ブラック・ラグーンの軍事考証も手掛けている津久田重吾が、第4話の『情報協力』としてクレジットされている。同じく1 - 3話の情報協力を行った大江英明は、アンサイクロペディア愛好家。第2集8話では、作画協力として漫画家の秋月亮(現・あきづき りょう)が参加。第3集より、「タクティカルロア」「ガンダムUC」などの考証を担当している白土晴一が情報・考証協力。
- 第4集から、情報協力・考証:白土晴一、アシスタントに秋月亮と市川剛という制作態勢が確立された模様。
- 単行本のカバーを外すと、各キャラクターの過去の姿がモノクロイラストで描かれている(第1集除く)。
- ココらはヨーロッパ・アフリカ兵器運搬部門という設定になっているが、作者は「世界中を旅させたい」とインタビューで語っている。
- 中文版タイトルは「軍火女王」。
[編集] 既刊
- (2006年11月17日発売)ISBN 4-09-157069-0
- (2007年4月19日発売)ISBN 4-09-157089-5
- (2007年10月19日発売)ISBN 4-09-157109-0
- (2008年4月18日発売)ISBN 4-09-157128-X
[編集] 外部リンク
- 「Media Gun Database」による登場銃器の解説
- 1CL-M - 作者公式サイト