メートル原器
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メートル原器(めーとるげんき)とは1mの基準として用いられた原器。
1879年フランスで白金90%、イリジウム10%の合金で作られた。 メートル原器は、それ自体の長さではなく原器の両端付近に記されたそれぞれの目盛の距離が摂氏零度の時に1メートルとなるよう設定されている。 パリの度量衡万国中央局(現・国際度量衡局、セーヴル所在)に保存されている。1885年日本がメートル条約に加入すると、1890年 フランスから「日本国メートル原器」、「日本国キログラム原器」が到着した。中央度量衡器検定所(現・産業技術総合研究所)で保管され、これを日本の長さの基準にした。
このように1つの基準から、順番に測定値の保証をしていくことをトレーサビリティという。
しかしあらゆる物質は経時変化を起こすので、1960年の第11回国際度量衡総会でメートル原器を長さの基準とすることをやめ、物理現象による長さの定義に改められた(クリプトン元素が一定条件下で発する橙色の光の真空中波長の1650763.73倍に等しい長さ。更に1983年には"1秒の299 792 458分の1の時間(約3億分の1秒)に光が真空中を伝わる距離"と改正)。
日本のメートル原器は1960年以降目盛の引きなおしがされ、現在は標準尺となっている。
なお、メートル条約加入前に日本で主に使用されていた長さの基準である「尺」の原器も存在する。