メイド服
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メイド服(メイドふく)とは、メイドの仕事着、またはそれを模して作られた女性用の衣装を指す俗称。 かつて19世紀末の英国に実在した家事使用人やハウスキーパーたちが着用した、特定の傾向の範囲内のエプロンドレスを、現代日本(の特にサブカルチャー的文脈)においてはもっぱらこのように呼ぶ。
本来の女中としてのメイドの仕事着は日本では「お仕着せ」と呼んでいた。
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[編集] 概要
現在、一般に「メイド服」と呼ばれているものは、黒または濃紺のワンピース、フリルの付いた白いエプロンを組み合わせたエプロンドレスに、同じく白いフリルの付いたカチューシャの組み合わせが基本である。
このタイプのメイド服は、19世紀後半の英国においては本来午後用のものであり、午前中はプリント地の服に白いエプロンと、帽子を着用するのが本来の姿であった。
元来、メイド服というものは存在しなかったが、「貴婦人が連れ立って歩いていたら、後ろを歩く女性(メイド)に声をかけてはいけない」というマナーがあったために、女主人とメイドを明確に区別するために必要とされた経緯がある。ダニエル・デフォーは「女中はそれにふさわしい制服を身につけるべき」と残しているので、18世紀前半ではまだ制服としてのメイド服は誕生していなかった事になる。
[編集] デザイン
[編集] エプロンドレス
エプロンドレス自体はメイドの制服として限定されるものではない。詳細は当該項目を参照。
服のデザインの一部にエプロンが使用された服。メイド服の場合、エプロンは肩からストラップを回し、ウエストで締めるものが多い。また1枚の布に切替え線を工夫して、エプロン風にしたものや、フリルの入ったスカートにエプロン状の前飾りを付けたもの(エプロンスカート)が用いられることもある。
エプロンドレスは古くから民族服や子供服のデザインによくみられ、現在でもベビー服などに使用されている。エプロンのデザインはピナフォア(フランス語でサロペットエプロン)、サロンエプロンなど形状は様々で、多くはフリル、フリルよりも大きめにつくられたラッフルやフラウンス、レース、プリーツなどの装飾が施されている。18世紀には貴婦人の間で流行したファッションであったが、現在では仕事着として認識されている。
[編集] ホワイトブリム
メイドの頭飾り。レース付きのカチューシャなどが用いられる。作業中に髪の毛が邪魔にならないように押さえる目的がある。キャップ(帽子)や、シニヨンにカバーをかぶせたものが取り入れられることもある。
[編集] メイド服
メイドの仕事着を模した衣装。大まかなデザインは元が仕事着である事を重視したシンプルなヴィクトリアンメイド型、性風俗関連でのコスプレを意識したフレンチメイド型に分けられる。
[編集] ヴィクトリアンメイド
ロングドレスの場合が多い。シンプルで装飾は少ない。客層にオタクではない一般人を重視したメイド喫茶で使用される場合が多い。
[編集] フレンチメイド
レザー製品を着用するボンデージ・ファッションの一種。袖はノースリーブかパフ・スリーブ、スカート丈はマイクロミニというスタイル。ペチコートやミニクリノリンをスカートの中で重ね着してボリュームをだしている。アニメや漫画等に多く描かれるのはこのタイプで、基本的に装飾過多で「仕事着」としての機能よりデザイン性(派手さ)を重視したものが多い。オタク文化で好まれている。また、特定のアニメキャラクター(のコスプレ)を意識した装飾などが施された衣装も多い。
[編集] ゴシック・アンド・ロリータとの関係
ゴシック・アンド・ロリータやロリータ・ファッションの衣服はメイド服と混同されやすい。 実際に『 不思議の国のアリス』などのイメージもあって、ゴシック・アンド・ロリータやロリータファッションのコーディネートに、このスタイル(エプロンドレス)が「メイド」と称して取り入れられる場合もあるが、あくまでもコスプレとはまた違う装飾性の一環として扱われる場合が殆どで、メイド服とゴスロリの混同は嫌われる場合が多い。
それぞれのモデルも違う。ロリータ・ファッションのモデルはヴィクトリア朝の上流階級の子供服がモデルになっているが、メイド服のモデルはベルギーの民族衣装であり、間接的でこそあれ、直接的な関係はない。
装飾が多いデザインは衣服としては好まれるが、実際のゴシックロリータの愛好家の間ではゴシックロリータ的なデザインのメイド服は批判されている。例としてはホワイトブリムではなくヘッドドレスを装着している、仕事着としては無駄でしかない広がった袖(姫袖)が付いている等である。
[編集] メイド服の実情
現代の日本ではもっぱらウェイトレスの制服やコスプレ用衣装などとしてフレンチメイド・タイプをアレンジしたものを中心に用いられ、家政婦などが実際に着用することは稀で、中にはメイド服でコスプレしたスタッフを派遣することを売りとした家政婦・ヘルパー等の人材派遣業も存在するが、これは特殊な例だと言える。また、現在の日本では住み込みの家政婦(メイド)という雇用形態そのものが存在しないため、いわゆるオタク的文脈において典型とされるような「本職のメイド」は存在し得ないとされる。ただ、2004年に英国大使館で公使邸メイドの募集が行われた前例がある。
コスプレ衣装専門店で、「メイド服」として売られているものの大半は上記の写真にも紹介されているタイプだが、フリルやレースなどの過剰な装飾がなされたために仕事着としての機能が失われているものも少なくない。また、ボンテージなどの性的な装飾やアニメ・ゲーム等のキャラクターを意識したアレンジが施されている場合もある。
一方で、本職の家政婦が通常の仕事着として扱う場合は、華美(派手)さを排し機能性を追求したシンプルなものを着用する場合が多い。
[編集] 関連項目
[編集] 衣装制作外部リンク
- COSPA - コスプレ衣装製作販売
- ミアコスチューム - メイドカフェ専用制服のオーダーメイドサービス、メイド服製作販売
- キャンディフルーツ - メイド服専門製作販売
- メイド服ブランド Emily