ミリオンゴッド
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ミリオンゴッドは、ミズホから2002年に発売されたパチスロ機。
目次 |
[編集] 概要
- 規定上はCタイプでビッグボーナスもレギュラーボーナスも搭載されておらず、「GG(ゴッドゲーム)」と呼ばれるAT機能のみで出玉を得る。
- 登場当初から、5万枚も射程圏というその類を見ない爆発力に注目が集まり、全国のホールにおける出玉記録を次々と更新した。
- しかし、「わずか20分で1万円が消える」ほどという投資速度の早さもあり、10万円以上が吸い込まれることもしばしばであった。
- 経済的困窮による自殺者を多数出した、あまりの出玉の凄まじさに毒され、若者が職を失ったり、廃人と化してしまうこともあった機種という逸話もある[要出典]。また、当時のパチスロホールの様子を表す言葉として、「鉄火場」という言葉が良く使用される。
- 2003年に「大幅に射幸心を煽る機種」として検定取消の処分を受け一斉撤去されたため、稼動寿命は短命だった。また、パチスロに対する規制が強化され、5号機に移行した原因もこの機種にあるといえる。
[編集] 特徴
- 3枚掛け専用機。有効ラインは上中下3ラインと少なく、停止パターンも簡潔。
- 黄金色の筐体、絵柄は全て7の絵柄。一撃必殺のプレミアムゴッドゲームの搭載など、AT機全盛時代の集大成を飾る機種であった。
- 通常時・GG中ともに目押しの必要は一切なく、その意味では「初心者にも優しい」設計であった。
- コイン持ちが史上最低に近く、通常時はリプレイすら揃わず、当選役は15枚のみ。逆にGG中はリプレイを除きほぼ毎ゲームで15枚役が揃い、連チャン性も極めて高く、さらに上乗せを行うチャンスも満載であり、類を見ないハイリスク・ハイリターンな機種であった。
- 見た目はシンプルな構成で「運任せ」の側面もある一方、内部モードや移行条件が複雑なため攻略要素も存在し、様々なタイプのプレイヤーに支持された。
- 2003年には同様のシステムを引き継いだ後継機種の『ゴールドX』『ゴールドXR』が登場しているが、出玉性能が低く人気は遠く及ばなかった。
- 新台としてホールに登場した当時は、「灼熱牙王」の発売中止騒動など日電協が加盟各社に対し爆裂機の販売自粛を求めていたが、本機はミズホが日電協に非加盟[1]だったこともあり、予定通り発売された。[2]
- 現在でもアルゼのHP「ディスコグラフィー」には、本機の記述がない(ゴールドXは記載されている)。
[編集] 通常時の流れ
- 通常時から押し順が指定され、実質左からの順押しのみ。押し順を誤るとGGの抽選を受けられなくなるなどのペナルティが課せられた。ペナルティ中のPGG当選(この場合は15枚の払い出しのみ)という最悪の事態も発生しかねず、押し順を誤ると出玉率が大幅に低下する。
- 役構成は以下の通り。
- 黄7:15枚。全6通り。下段で揃う。液晶画面上では通常、偶数が揃う。
- 青7:リプレイ。上段で揃うが、逆押ししないと揃えることができない。
- 赤7:1枚役。SGG(後述)が確定。右リールのいずれかに止まれば当選。
- GOD:15枚役。PGG(後述)がほぼ確定。中段のみ揃う。フリーズ(後述)の場合を除き、最終的に液晶画面上で7が3つ揃うとPGGに突入。
[編集] GG(ゴッドゲーム)
- 以下の内部抽選に当選してGG(ゴッドゲーム)が発動すると押し順が液晶画面で指定され、15枚役の黄7が獲得可能になる。当選条件は基本的に「押し順を厳守し、ペナルティの無い状態」であることが第一条件となる。
- 液晶画面上で7以外の奇数が3つ揃う:GG。1セット50ゲームであるが連チャン性も高い。1ゲーム当たりの期待純増枚数は約10枚弱。つまりGGのゲーム数×10が獲得枚数となる。
- 右リール上に「赤7」停止:SGG(スーパーゴッドゲーム)。3回以上のGGが約束される。確率は1/4096。期待純増枚数は約1,500枚~4,500枚。
- 「液晶画面上で7の3つ揃い」または「中段リールに『GOD』揃い」:PGG(プレミアムゴッドゲーム)。15枚役だが、その後GGが500ゲーム継続する。「GOD」確率は1/8192。[3]期待純増枚数は約5,000枚。
- また、GG終了後の5ゲーム(G-ZONE)以内に当選した場合、内部ストックされた16384個が(理論上ほぼ全て)放出される。
- GG、「GOD」中の「GOD」又「7揃い」でゲーム残数に当選ゲーム数が加算される。「7揃い」の場合は残りゲーム数+50G、G-ZONE中に残り当選回数分放出される。稀にG-ZONEをすぎて50Gで放出することもある。
- また、リプレイ3連でチャンス音、4連続くとGG当選。天井GG(1500G)も存在するが最大3連チャンまでが現実的。4連以上の場合はストック全放出となるが、その可能性は極めて低い。
- 液晶画面上の背景は「GG=お花畑」「SGG=海底宮殿」「PGG=空中庭園」が登場。一度でもSGGやPGGに当選すれば、以降の液晶画面は高い方に固定される。
- 極めて稀に液晶で奇数が揃ったり、右リールに赤7が停止したり、GODが揃ってもGGに突入しないことがある。[4]
[編集] GGの注意点
- 早く消化を行うあまり、押し順を間違えることも頻繁に起こりやすい。
- GGの連チャンは概ね5G以内、最大でも53G以内に発動するが、50Gの「チャンスゾーン」を超えても当選する可能性があるため、ヤメ時の判断が難しい。
[編集] 演出
全体的にシンプルな演出が多い。単体での期待度は低いが、頻発・複合することで期待度が上昇。
- 液晶上で「爆発」「氷」「稲妻」:いずれも信頼度は高くないが、前兆としても発生。
- テンパイ音:奇数がテンパイすると発生。頻繁に起これば前兆の期待が持てる。
- リール消灯:長く続けば続くほど期待大。
- 液晶の出目:奇数のハサミ目や同一数字の中・右揃い(「ケツテンパイ」とも呼ばれる)など、様々パターンが存在する。また、「324(ミズホ)」「315(サイコー)」など、語呂合わせで当選確定となる出目も多い。
- チャンス目:リプレイの取りこぼし目、逆押し15枚成立、ブランク絵柄、左リール液晶7停止時など様々。リーチ目に近い停止形では「中段GODテンパイ」、「左リール上・中段のブランク停止」など。また、液晶数字との組合せでGG当選となるパターンもある。
- 遅れ:期待度が高い演出。「遅れ→左・中リール液晶7停止」でPGG確定。
- 全消灯:SGGまたはPGGが確定。
- フリーズ:PGG確定。レバーONで液晶が黒くなり、フリーズが発生。その後リールが回転し、液晶に「左から押して下さい」と表示。
[編集] 脚注
- ^ 親会社のアルゼは日電協に加盟している。
- ^ 日電協の自粛要請は加盟各社に対してのみ拘束力を持つが、非加盟のメーカーに対しては何らの拘束力を持たない。
- ^ ペナルティのない入賞時のPGG当選確率は16383/16384。
- ^ モード移行時に当選するとGGが消滅するほか、PGGはGOD成立時16383/16384の抽選に漏れると突入しない。