ポスティング
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ポスティングとは、広告・宣伝を目的に、ビラやチラシを、各個宅の郵便受けへ直接投入する行為。
主な業種は、飲食店、通信販売、貸金業、不動産会社など巾が広い。商業目的ではない公共性を有する例として、地方自治体(地域限定の行事案内やお知らせ)や水道局(主に工事による断水やにごり水、交通規制のお知らせ)によって行われる場合も少なからずある。
ポスティングされるチラシは、当該店舗のスタッフが配布作業をおこなうこともあるが、ポスティング会社(ポスティング業者)と言われる専門の集団が大量にこなしている。これらの企業では依頼主から配布広告物を受け取り、指定された地域(一般的に町丁目エリア)に一定の価格で請け負って配布する。専門の会社によるアウトソーシングが成り立つのは、自店のスタッフ(社員、アルバイトスタッフ含む)による配布よりも結果的に安価となるからである。専門の会社の場合、自社の地区から遠隔地に広告する目的や、効率的にまわるためのノウハウや、複数の依頼主の広告を持って同時に町を回ることができるというメリットもある。
新聞の折り込みチラシに対するメリットでは、全戸配布が可能。
風俗店など業種によっては問題を引き起こしている場合もあり、郵便受けへの広告ビラの投入行為を禁止しているところもある(住居侵入罪で逮捕された例や有罪になった例もある)。ピンクビラの投入行為に関しては都道府県が迷惑防止条例などで罰則付きで禁止している地域もある。
最判平成20年4月11日などの最高裁判決などによれば、塀やフェンスで囲まれている土地(マンションや共同住宅の敷地の周囲がフェンス等で囲まれている場合)に入って敷地内のポストや建物の中にある集合ポストにビラ等を入れるため立ち入ると住居侵入罪が成立することになる。ただ、個人宅の公道に接したポストにビラ等を入れること自体は住居侵入罪の構成要件を満たさないと考えられる。なお、住居侵入罪については、どのような立入りを「侵入」とするのか、意思侵害説と平穏侵害説と観点が分かれる。ポスティング行動は意思侵害説から捉えたら明らかに抵触するが、平穏侵害説から捉えたら破壊や騒乱を伴っているわけではないので抵触しないという見解もある。
アパートやマンションなどの集合住宅では集合ポストの周りにチラシが散乱し嫌われる傾向があり、それを理由に配布を禁止している集合住宅や、チラシ・ビラ専門のごみ箱を用意しているところもある。
チラシの散乱の主な原因としては、チラシをゴミとして捨てるのが煩わしい住人がその場に捨てる事が挙げられる。 住人自ら散乱ゴミを作り、チラシを嫌う理由を作っているとも言える。 専用のごみ箱を設置するとある程度の改善は見られるが、住人全員が必ずしもゴミ箱への廃棄やゴミの日などに一緒に出す事を励行しているわけではない。
ポスティングの商標登録は株式会社アトが保有している。 (商標登録番号4984197号)
[編集] 関連
- 配達地域指定郵便物(タウンメール)
- ダイレクトメール
- 立川反戦ビラ配布事件
- 葛飾政党ビラ配布事件
[編集] 外部リンク
- 日本ポスティング協同組合(中小企業組合法に基づく組合)
- ポスティングナビ