ボークス
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株式会社ボークス(Volks Inc.)は、京都府京都市に本社を構えるガレージキット・フィギュア・ドールや関連アイテムの企画・製造・販売を手がける会社である。
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[編集] 概要
元々モデル・フィギュアメーカーとしてのイメージが強かったが、スーパードルフィーと呼ばれる、現代版の球体関節人形(樹脂製)を発売して以来一躍人形製造メーカーとしても認知され、現在ではドールズパーティーと呼ばれるドール関連の展示即売会を開催するほどとなった。
独自の流通方式(イベント・自社ショールームのみの販売)を取っており、一般の流通ルートではボークスブランドを見かけることは少ない。唯一の例外として『ファイブスター物語』のモーターヘッドであるザ・ナイト・オブ・ゴールドのインジェクションキットのみ一般の流通ルートで発売されている。
スタチュー(ガレージキット完成品)・ドール共にハイクオリティを誇るが、その独自の流通方法・ハイクオリティを維持するが故の少数生産の為、愛好者の間ではレアアイテムとしてもてはやされる事が多い。近年ではスーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATIONの関連商品も展開しており、商品化は困難ではと言われていた完全変形合体仕様のSRXを商品化し、話題となった。またファイブスター物語のモーターヘッドのガレージキットも有名であり、その巨大さから立体化は困難といわれたヤクト・ミラージュやレッド・ミラージュインフェルノ・ナパームなどを商品化している。2007年の最新キットとなるマイティシリーズでは着色済みの半透明装甲の再現や、エッチングパーツを幾重にも重ねる事で多重構造を再現するなど新しい試みがなされており、そのキット価格や完成度と共に話題となっている。
オビツボディと呼ばれる可動人形用素体の製作を行っているオビツ製作所に対し、営業上の信用を害する虚偽の事実を告知・流布する行為をしていたため訴訟となり、東京地裁・高裁判決ともオビツ製作所の勝訴となった。また、ボークスは球体関節・二重関節人形の意匠を登録しており、オビツ製作所の可動人形用素体への意匠登録無効の審判請求を行ったが成立しなかった。事の発端は、オビツ製作所のオビツボディがドルフィーのコンセプトと似通っていることから訴訟を起こしたとされるが、コンセプト自体は他社でも行っているため、真偽は不明である。現在、ボークスはオビツ製作所を同じ可動人形を販売・展開しているライバルとして見ている。
業界内では海洋堂と犬猿の仲である事が知られているが、発端はボークス社長の重田英行がボークスを創業する前に、海洋堂に出入りし海洋堂前社長宮脇修らの事業を手伝っていた所、唐突にボークスを創業し模型雑誌に当時海洋堂が行っていたプラモデル専用工具の販売を大々的に発表するなど、信義にもとる行為を行ったからとされる。
ただし宮脇修は現在では刺激をもたらすライバルとしてある程度認めている、と語っている。
[編集] グループ会社
- 株式会社ボークス
- ホビー商品を扱うショールーム(レンタルショーケース併設)、及び、スーパードルフィー販売のための天使のすみか、天使の里(京都の1店舗のみ)を全国に展開するグループ根幹の会社。
- 造形立体物の原型を製作販売する企業。
- 造形村で作られた原型をもとに複製・組み付けなどを行い、商品化する企業。