ボロメータ
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ボロメータとは電磁波を検出する素子である。1878年、アメリカの天文学者であるサミュエル・ピエールポント・ラングレーによって発明された。"アブソーバー"を介して放熱器に繋がっている構造である。電磁波がアブソーバーで熱になり、温度が上昇する。それによって電磁波を検出する。
ボロメータは如何なる周波数、波長の電磁波に対しても感度が一定である。(波長依存性が小さい)ボロメータは極短波長の帯域に於いて最も検出感度の高い素子である。
ボロメータは天文学で使用される。絶対零度付近まで冷却する事によって真価を発揮する。
広義のボロメータは高エネルギー物理学の粒子検出にも使用されている。ボロメータは光だけでなく多種多様のエネルギーも検出できる。
熱力学における熱量計として使用する事が本来の使用法である。低温物理学に於いて代替し得る物は無い。
20世紀初頭には既に現在の形態になったが、近年、MEMS技術を取り入れる事で赤外線撮像素子等、応用範囲が広がりつつある。
[編集] 出典
- Knoll, Glenn F. (2000). Radiation Detection and Measurement, 3rd edition, New York: Wiley. ISBN 0-471-07338-5.
- McCammon, D., et al. (1993 March). “Thermal calorimeters for high resolution X-ray spectroscopy”. Nuclear Instruments & Methods in Physics Research, Section A (Accelerators, Spectrometers, Detectors and Associated) A326 (1-2): 157-165.
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