フリー (バンド)
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フリー (Free)は、ブルースを指向するミュージシャンよって結成されたイギリスのロックバンド。1969年に結成され、1度解散し72年にオリジナルメンバーで再結成された1973年に解散。
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[編集] メンバー
Free At Last発表後から解散まで
- ポール・ロジャース(Lead Vo・G)
- 山内テツ (B・Percussion)
- ラビット(ジョン・バンドリック)(Key・Organ・Vo)
- サイモン・カーク(Ds・Vo)
テツとラビットはフリーが一度解散したときカークとコゾフとコゾフ・カーク・テツ・ラビットを結成しアルバムも発表している。
[編集] 概要
バンド結成前は全員がブルース・ロックのグループに所属しており、かなりのキャリアを積んでいた。アレクシス・コーナーに才能を認められ、バンド名を与えられた上に(コーナーが組んでいたバンド「フリー・アット・ラスト」から)、レコード会社(アイランド・レコード)も紹介してもらった。
音数が少なくシンプルだがパワフルな演奏は、初期のハードロックを形作った。シンプルな演奏は評論家受けもよく、メンバーの若さからは想像もつかないくらい(特にアンディ・フレイザーは参加当時16歳)渋いロックは同時にクールさを兼ね備えていたが、キャリアを持つ者同士故のエゴが頻繁に衝突して活動は短期間に終わった。またコゾフのドラッグ癖も活動に支障を及ぼした。後にエゴを収めてフリーが再結成したのも、コゾフを救おうという意図があったといわれる。しかし、コゾフは1976年にドラッグが原因で心不全を起こし死亡した。
シンプルな演奏が身上であったが、テクニックは申し分なく、特にフレイザーの個性的なベース・ラインは現在でも異彩を放っている。
『ファイアー・アンド・ウォーター』に収録され、シングル化もされた『All Right Now』は、その後さまざまなロック・コンピレーション・アルバムに収録され、ロック・クラシックとなっている。
[編集] 各国での評価の違い
フリーは母国イギリスでは伝説的バンドとして高く評価されているが、フリーが最初に解散する直前、ロックのコンサート自体に不慣れだった当時の日本のロックファンに大きな衝撃を与えた伝説的な初来日公演の影響もあってか、もしくはシンプルさとボーカルの渋さゆえなのか、やはり日本においても人気があるバンドである。一方その「地味さ」が「暗さ」といったように裏目に出たのか、アメリカでは「オール・ライト・ナウ」が大ヒットしたものの、バンドとしては今一つ人気が定着しなかった。
よって、フリー解散後の1974年にポール・ロジャースとサイモン・カークが参加し結成されたバッド・カンパニーは、フリーの要素に加えて、「アメリカうけ」を狙ったものであった。実際バッド・カンパニーは本国イギリスや日本よりも、アメリカにおいて大きな支持を集めることとなった。
[編集] ディスコグラフィ
[編集] オリジナル・アルバム
- Tons Of Sobs - トンズ・オブ・ソブス (1968) did not chart UK, #197 US
- Free - フリー (1969) #22 UK
- Fire And Water - ファイアー・アンド・ウォーター (1970) #2 UK, #17 US
- Highway - ハイウェイ (1970) #41 UK, #190 US
- Free Live! - フリー・ライヴ (1971) #4 UK, #89 US
- Free At Last - フリー・アット・ラスト (1972) #9 UK, #69 US
- Heartbreaker - ハートブレイカー (1973) #9 UK, #47 US
[編集] ベストアルバム
- The Free Story - フリー・ストーリー (1974) #2 UK