パワーウェイトレシオ
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パワーウェイトレシオ(Power-to-weight ratio、出力荷重比、馬力荷重)とは、自動車などの輸送機械の重量(weight)を、そのエンジンの出力 (power)で割った値(比率, ratio)のこと。主に自動車の加速性能を表す指標として用いられ、この値が小さい方が高性能とされる。この他、オートバイ、船舶、航空機など自動車以外の輸送機械、あるいはエンジンそのものの性能を表す場合にも用いられる。
[編集] 概要
加速性能はその輸送機械(例えば乗用車)にとって重要な性能の一つである。一般に乗用車の性能としてはエンジンの出力だけが注目されがちであるが、同じ出力のエンジンを積んだ車であっても車体の重量が異なると、得られる加速感には違いが生じる。加速度は、エンジンの出力によって前に進もうとする力に比例し、機械全体の質量に反比例するため、同じ出力のエンジンならば、軽い車の加速度は大きく、重い車では小さい。このためエンジン出力だけでは加速性能の良い指標とはならない。そこでより加速感に則した指標値として、パワーウェイトレシオが用いられる。パワーウェイトレシオは重量を出力で割った値であるが、この値が小さいほど大きい加速感が得られ、加速性能がよいことを意味する。
パワーウェイトレシオは、特に自動車で用いられることが多く、この場合は通常、車体重量(kg)をエンジンの出力(PS、馬力)で割り、kg/PSという単位で表される。特に加速性能が重要なフォーミュラカー(F1マシン)では1kg/PS前後であり、一般用の乗用車には10kg/PS 前後のものが多い。オートバイは車重の約3分の1程度をエンジンが占めている為10kg/PS未満の物が多く、スーパースポーツと呼ばれる車種では1kg/PS以下のものも存在する。