ソリッドモデル
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ソリッドモデル
- 3DCADにおける形状設計時の立体図形の取り扱い上の分類の一つ。中実図形=ソリッドモデル、中空図形=サーフェスモデルの種別がある。
- 模型における中身の詰まった模型全般のこと。本項で詳述。
目次 |
[編集] 概要
ソリッドモデルは主に航空機を木材などの素材を用いて再現する模型である。ソリッド(solid)とは英語で固体を指す言葉で、字義的に言えば一本の木から削りだした仏像や大理石の石像などもソリッドと呼んで差し支えは無い。スケールモデルとして、プラモデルが一般化する前には模型はソリッドモデルが主流であった(初期の日本産のプラモデルは、プラスティックソリッドモデルと呼ばれるものもあった)。しかし第2次大戦中に敵機識別模型としてプラモデルが開発・販売された。大戦後は、プラモデル主流となりソリッドモデルという呼び方は、あえて区別するために使われることになった。現在でも全国に約数百人の愛好家がおり、ソリッドモデルクラブの作品展などが開かれている。 近年、フィギュアブームによりさまざまなフィギュアが商品化されている。これらの模型は中身が詰まっており、合成樹脂等の注型により生産されているがこれらはソリッドモデルとは呼んでいない。ソリッドモデルは、現在、オールアルミ化モデルやバキュームフォームモデルやモザイクモデルといった物へと進化しようとしている。
[編集] 製作に関して
かつてソリッドモデルにはキットとして販売されているものもあったが、その中身は詳細な設計図(三面図)と大まかに切り揃えられた木材のみということが多かった。模型の総重量が重くなるため主脚がホワイトメタル・真鍮などの金属製、キャノピーが透明樹脂で付属するものもあるが、多くは図面を見ながらひたすら木材を削りだし表面をヤスリで磨くという工程を繰り返す。そのためアウトラインが実機に似るかどうかは完全に製作者の力量のみにかかっている。非常に高い工作技術と資料の読み取り能力が必要とされる。
[編集] 素材に関して
切削性の良さから木を素材とすることが多い。日本ではおもに朴の木を材料としている。朴は柄杓の材料にも使われる耐水性・耐久性に優れた素材であるためヤスリがけ・塗装に向いていること、微細部品も削りだせることなどから用いられている。ただし木材なので吸湿して反ったりゆがんだりするのを防ぐにはそれなりの加工をしなければならない。
[編集] 商業原型
かつてプラモデルメーカーが模型化する商品の検討や金型製作の原型は木型と呼ばれる木製ソリッドモデルであった。現在は合成樹脂(レジン等)や3DCADのデータになっている。
[編集] 撮影用ミニチュア
戦争映画や特撮映画における、撮影用の戦闘機や艦船などのミニチュア(プロップ)はソリッドモデルであった。概要における変遷とほぼ同様の経緯を辿る形で事情が変化しており、実機の戦闘機の場合はプラモデルを流用する様になってはいったが、ジェットビートルなどの架空の戦闘機はかなり後までソリッドモデルが用いられていた。現在では模型製作技法の変化とともに、樹脂の注型による成型などの手段で製作された合成樹脂素材の模型が主に使用される。
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