ジョゼッペ・ジェンコ・ルッソ
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ジョゼッペ・ジェンコ・ルッソ(Giuseppe Genco Russo 1893年1月26日 – 1976年3月18日)はシチリア・マフィアの大物だった人物。
[編集] プロフィール
1893年1月、カルタニッセッタ県のムッソメーリに生まれる。家は貧しく極貧の生活を送った。若い頃は日雇い農業労働者か羊飼いとして働いた。
第1次世界大戦後に、家畜窃盗団に入る。
1933年、カロジェロ・ヴィッツィーニに次男の名付け親になってもらい、このときに彼との間に強い絆が結ばれた。
第2次世界大戦中は連合軍のシチリア上陸作戦に大きく貢献し、その後、小麦粉やオリーブオイルの闇取引で莫大な収益を上げた。大戦後にムッソメーリ村の村長になる。この頃彼は地元では知れたマフィアだったが、家の中でラバと一緒に暮らしていた。当時のシチリアは大物マフィアですらこのレベルの生活をしていた。
カロジェロ・ヴィッツィーニの死後、彼の後を継ぎ、一時的だが旧マフィアと新興マフィアの架け橋的な役割をした。
1957年10月、パレルモのホテルで、ジョゼフ・ボナンノ、ラッキー・ルチアーノらが参加したシチリア・マフィアとアメリカン・マフィアの会議があり、ルッソも出席している。このときの会議の主要テーマは麻薬取引とシチリアでの委員会設立であった。
1964年2月、政府にマフィアのボスと推定され、北イタリアのロヴェーレ村のホテルに強制勾留された。5年後に故郷ムッスメーリに戻ったとき、往年の名誉あるマフィアの面影はなかったという。