ジョシュア・レノルズ
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ジョシュア・レノルズ(Sir Joshua Reynolds, 1723年7月16日 - 1792年2月23日)は、ロココ期のイギリスの画家。
1723年、イングランド南東部デヴォン州のプリンプトンに生まれる。1749年から1752年にかけてイタリアに学び、ラファエッロやミケランジェロなどの古典を熱心に研究した。
1768年にロイヤル・アカデミーが創設されるとその初代会長となり、実作のみならず絵画の理論家・教育者としても大きな役割を果たした。レノルズは、ラファエッロのような古典絵画の巨匠の様式(グランド・マナー)を重視し、聖人・神話・歴史上の事件などを扱った「歴史画」を絵画ジャンルの首位に置いた。肖像画の制作にあたってもモデルを宗教的・歴史的道具立てのなかで理想化して描いた。レノルズは、そうした、保守的でアカデミックな制作態度、および、「ロイヤル・アカデミーの初代会長」という肩書きから、権威におもねった旧弊な画家として、21世紀の今日においては否定的に評価されがちだが、長年独自の美術の伝統を築けずにいたイギリスにおいて、職業人としての画家の地位を確立した功績は大きい。特に『マスター・ヘア』、『カロライン・ハワード嬢』などの、愛らしい子どもの肖像画には、レノルズの本領が現われているといえる。
[編集] 代表作
- マスター・ヘア(1788-1789年頃)(ルーヴル美術館)
- ネリー・オブライエン(1760-1762年)(ロンドン、ウォレス・コレクション)